戻る


〜エロチシズム論 〜 っていうかもう思春期でもないだろお前

文:W.KOHICHI





「ねえ、ダークハンターってエロいと思わない?」
「………。エロい目で見るからエロく見えるんだろう」
「私がエロいって言いたいの? そうじゃないわ、ダークハンターはエロい! 間違いない!」
「ではダークハンターがエロいと思う根拠を述べよ」
「まず武装が『鞭』!」
「鞭は別にエロい武器じゃないぞ」
「鞭で引っ叩くと残るあのミミズ腫れのような傷痕、あれは間違いなく嗜虐的な傾向があるわ!」
「お前のその鞭って訓練用の鞭じゃないのか。鞭って痛いんだぞ。肉が裂けるぞ」
「なんで知ってるのそんな事? はっ、まさかやられた事があるの!?」
「ないけど、知識として知ってる」
「じゃあ実際に見た私の言う事の方が正しいわ。鞭はエロい!」
「まあそれでいいや。で、それだけか? 根拠は」
「まだまだよ。次にダークハンターは剣もこなせる。つまり『両刀使い』なのよ!」
「それ言ったら、ソードマンやブシドーもそうだろ、っていうか思考が飛躍し過ぎだぞお前」
「鞭で散々にいたぶってとどめは剣でさっくり……ああ! なんてサディズム!」
「装備できる武装は基本的に1種類だけだぞ。ダークハンターなら鞭か剣かのどっちか片方だけだ」
「それで『痛いか? 今度はどうだ?』とか言いながら嬲るのよ……怖エロい!」
「造語すんな。だが大体話が見えてきたぞ」
「根拠はまだあるのよ。次は『技名がいやらしい』!」
「例えば?」
「貴方だって知ってるでしょ、“レッグボンデージ”とか“エクスタシー”とか“ジ・エンド”とか」
「前の2つはまあともかく、“ジ・エンド”の何がエロいんだ」
「逝かしちゃうって事でしょ?」
「その通りだが、それの何がエロい」
「やだ! 言わせないでよ、いやらしい!」
「あっそ……他には?」
「『技の効果がいやらしい』!」
「ふむん? それはいやらしいの意味が違うんじゃあないか? いろいろと付属効果は付いているが」
「何言ってるのよ、腕とか脚とか縛るって人間相手だったら洒落にならないわよ」
「確かに洒落にならんが、お前の言うのはどういう意味で洒落にならないんだ?」
「勿論性的な意味でよ!」
「ダークハンターはそういう目的でスキルを修得したりせんと思うが」
「でも彼らなら町外れの秘密クラブでバイトだってできるわ」
「何その妖しげなクラブ!? 俺初耳だぞ」
「え、知らなかった?」
「ああ」
「じゃあ聞かなかった事にしておいて」
「そうする……」
「話を戻すと、ダークハンターは剣でもエロいわ。“ショックバイト”とか“ドレインバイト”とか“カタストロフ”とか」
「何故それらがエロいのか聞こうか」
「ショックバイトで麻痺させてやりたい放題! ドレインバイトで吸っちゃう! カタストロフでかちかちにー!」
「カタストロフは単に石化させるだけだろ」
「ナニを?」
「何をって?」
「だからナニをよ!」
「その何ってまさかナニか!」
「ああもう何何連呼しないで! いやらしい!」
「俺が悪いのかよ!?」
「もう、しょうがないわね……」
「釈然としねえ!」
「これらの事実から導き出される結論は、」
「お前がいやらしい女という事だな?」
「ダークハンターはエロいって事よ!」
「ああそう、もうそれでいいよ」
「分かったならいいわ」
「うん、俺部屋戻って寝るわ」
「……あ、ちょっと待って」
「なんだよ」
「なんか話してるうちにムラムラしてきちゃったんだけど……どうすれば良いと思う?」
「自分でなんとかしろ。俺はもう休む」
「えー……」
「こっち見んな」
「……しない?」
「豆腐の角に頭ぶつけて死ね!」



<終>


後書き

たまには箍を外したくなる時もありますです……。
でも分かりました。私にエロは無理ですわ。
ギリギリって感じもしますが、基本はギャグですから。いや、ギャグですよ?
どうでもいいですがボルテージとボンデージは言葉が似通っていて紛らわしいですね。
というか私、疲れてるのかなあ?


戻る