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アクアリウムwithクロック プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


そのタイトルがゲーム内容を表している好例。大変分かりやすく内容を類推しやすい。
強いて言うならば「アクアリウム」の意味が捉えづらいかもしれないが、恐らくイメージ通りであると思われる。
メインは「アクアリウム」であり「クロック」はあくまでも付随するもの。あっても困らないがなくても困らない。

肴の飼育場所である水槽は5つ用意されている。飼育出来る魚は43種類、置物の数20種類、背景10種類、BGM15種類(「BGMなし」も含めれば16種類)。
魚に関しては最初から総て出せるというわけではなく、条件(繁殖など)を満たす事で徐々に飼育出来る魚が増えていく。なお、繁殖はするが餓死はしない。
グラフィックは美しい、当然ではあるが。魚の表現の美しさだけでなく、置物や背景なども含めた総合的な表現が優れている。
時計機能は6種類の表記から選択。当然いつでも消去出来る。邪魔にならない程度の表示にしたり逆に前面に押し出したり。なお表示される時間はDS本体の時計に依存するようだ。

宜しくない点としては、魚の大きさやイメージが把握しづらいところが挙げられる。水槽に魚を投入する前にその魚の大きさが示されれば良かった。例えばL・M・Sのサイズを表示してくれるとか。
しかし実際には魚の生物的特徴は示されるが、文字でのみでありイメージすらも分からない。実際に投入してみるのが最も良い方法なのが残念。
魚の大きさによっては「捕食」現象が起きるらしいが、これも面倒な要素。こまめに餌をやる事で阻止できるとはあったものの、そんな事をするよりは最初からこの要素がない方が良かった。
また、小さい魚は見えづらい。水槽全体表示でも見えづらいし魚の拡大表示でも見えづらいのが難点。

「プレイする」という類のゲームではない。「眺める」と形容するのが最も適切であろう。
魚の拡大表示は一応出来るものの、寧ろ見えづらい全体表示にこそがこのゲームの製作者の意図するものではあるまいか。敢えて見えづらくすることでリアリティを出しているという解釈である。
褒められる点と残念な点がほぼ拮抗しており、観賞ゲームとしての出来は総合的には普通といったところ。1つの完成と言えるかもしれない。


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