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アーシャのアトリエ プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


ガスト社が発する新規アトリエシリーズの一弾目、それがこの『アーシャのアトリエ』である。
今までの『アトリエ』シリーズに付いて詳細に述べれるような立場でもないものの、今までと明らかに異なる面も多々。
以下に、その詳細を出来うる限り述べていってみたいと思う。

ストーリーの大筋としては、3年間という期限内に妹である「ニオ」を救出する事が目的となる。
ただそれだけに3年間を費やすわけではないが、それが基本であり動かしがたい目標である。
一応、迷いにくいように注釈や手助けのアドバイスが入るが、迂闊に漫然とプレイしていると、ニオの救出はまず不可能と思われる。
これは救出の手順に時間が掛かるだけではなく、救出の際のイベントとして固定敵とバトルを強いられる事が大きい。生半可な実力では返り討ちに遭うレベルの敵であるからして。
とはいえ、逆に、しっかりと育成などをこなし準備万端で挑めばそうそう負ける事もないはず。甘く見て良い敵ではないが。

その他は今まで通りとでも言うか、古式ゆかしい『アトリエ』シリーズの、大体の基本路線を歩む事になる。
配達などの仕事をこなしつつ、調合を繰り返して腕を上げ、報酬を得て調合レシピを購入するといった、そういう道を歩むのである。
例によって個性豊かな仲間も多い。キャラクターごとの個別エンディングも大体のキャラクターに用意されているようである。

しかしながら、今作、『アトリエ』シリーズである事は確かながら、なんと言うか、普通のRPGっぽくなってしまいやや拍子抜け。
個人的な思い込みかもしれないが、レベルを上げてラスボスを倒して囚われの妹を救出するなんて、ただの王道RPGではないか。
しかも、ニオを救出しないとエンディング派生が限られるもようであり、その意味でもニオ救出は絶対的イベントとなってしまっている。
主人公は錬金術師であって、勇者ではなかったはずなのであるが。それとも、これも時代の流れであろうか。
要は、王道RPGなどその他のメーカーのゲームに任せて、『アトリエ』シリーズは我道を歩んでほしかった、という事である。

些か自由度が足りないながら、その他は及第点以上と思われる。面白いゲーム。
グラフィック・BGM・SEも大体良し。また、必須ではないもののダウンロードコンテンツも用意されており、遊びに幅が出る。
2周目以降は若干ゲームが有利になるシステムも付いており、やり込みがいはある。やり込むかやり込まないかは、各人の自由である。


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