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アトラス プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


オリジナリティに溢れると言うか、かなり独特な要素の強いシミュレーションゲーム。単に巧い形容が見つからないだけかもしれないが。
とは言え、そのタイトルがゲームの中身を端的に表している。「ATLAS」とは大体「地図帳」の意であるからして。
ちなみに1枚の地図は「MAP」である。また余談ながら、ゲームメーカーのアトラスは「ATLUS」であり、「ATLAS」とは異なる事に留意が必要である。

どういうゲームか大雑把に説明すると、大航海時代を舞台として、世界の姿を解き明かす事を最終目的とする複合シミュレーションゲームである。
このゲーム程、「習うより慣れよ」を地で行くであろうゲームもそうはない。手段を細かく説明していくと半端なく長くなってしまうためでもあるが。
故に、ここから先はゲームの大体の感想と、使えるであろう技術を中心に述べていきたいと思う。

このゲームの何が面白いかと問われれば、航海・探検・発見の3つが代表となるであろう。他にもあるかもしれないけれど、他は切枝末葉のようなもの。
航海と探検は1セットのようなものでもあるが、厳密にはちょっと違う。暗黒地域に行かずとも航海は出来るからである。
詳細不明の暗黒地域を踏破する快感は中々のもの。たとえそこに海域しかなくとも、もしくは陸地があろうとも。集落があったりするとなお良し。
基本的には暗黒地域に陸地と集落がないと苦しい展開になりがち。特に集落は重要であり、これがないと補給も貿易もままならない。
勿論あれば良いというものではなく、適当な位置に適当な集落があれば理想。しかし理想通りいく事は少なく、どれだけ理想に近いかが現実の判断部分になる。
このゲームはセーブ&ロードが容易いので、リセットプレイはある意味基本である。探検の先には常に青写真を用意しておくべき。

また、このゲームは経営シミュレーションとしての面も備える。カネがなければなんにも出来ない。それどころか破産すればゲームオーバーである。
国王と契約を交わしており、かつ、探検の進捗が順調であれば、1年に1度国王から援助をもらえる。とは言え、それだけでは少々心許ない。
収入源となる貿易は使いこなすのがやや難しくはあるが、貿易を主柱にするより他に手段がない。コツは足が出ない程度にやる事であるか。

弱点と言うか痒いところと言うか、ユーザーインターフェイスがやや不親切なところが多少痛いかと思われる。
元々はパソコン用ゲームとして開発されていたらしく、その名残と思われる操作が随所にある。操作性については一長一短あるが、全体的には平均的といったところ。
ただ、オプションにあたるものがないのは面倒。ゲームスピードやサウンドなどは変更を保存しておけると良かったのであるが。

完成度が高かったためか、続編にあたるものはあるものの数が少なく、その評価もこの『アトラス』オリジナルを超えたものはない、との事であるらしい。
続編はどちらでも良いとしても、このゲーム自体は良く出来ており、否定するべき面が実に少ない事は長所。
古めかしさはあるものの、今なおプレイに耐える良質なゲームと言えよう。


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