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戦国BASARA3 プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


一応の人気シリーズ『戦国BASARA』の新作が、WiiとPS3で登場した。ナンバリングタイトルとしては3つ目、その名も『戦国BASARA3』である!
『2』と『3』の間に、ナンバリング以外にもいろいろ発売されたが、それは、まあ、良い。
このレビューはWii版の『戦国BASARA3』について述べるが、Wii版とPS3版の差は一部のバグを除いては基本的にはないらしいので、恐らくPS3版でも通用するレビューになるかと思われる。

今作の世代設定は、ズバリ「関ヶ原の戦い」! という事で織田・豊臣以降の世代が数名起用されている。
その代わりと言うか代償と言うか、『2』のPC・NPC武将が大幅に削除、またはPCからNPCに降格という憂き目を見る羽目になった。
また、毛利元就が未だに健在などの扱いの不平等があるのであるが、そういうものと納得するしかあるまい。
PC・NPC武将の総数は34名。PCが16名、NPCが18名である。新規参戦の武将はPCでは6名(家康含む)、NPCでは11名(天海、直江含む)である。

システム面でもかなりの改変が施されている。まずはキャラクターの固有技が基本的には選択式ではなくなった。
『2』の、武将が固有技を選択して戦いに挑む方式から、キャラクター1人に付き4つの固有技が基本で付き、その上で更に「固有奥義」という技を3つのうちから選択するようになった。
つまり、より複雑なアクションゲームっぽくなっている。とは言えボタン1つで出せる技が殆どであり、こんがらがる程複雑ではないので安心である。
次に防具という概念が廃止され、代わりに「装具」というものでキャラクターを直接強化する方式に切り替わった。武器は相変わらず存在するが、それに装具枠というものが付き、最大6つの装具を装着する事が出来る。
これには一長一短あり、長所としては、キャラクターのカスタマイズの自由度が高まり、よりプレイヤーのプレイ方法に密着した形でキャラクターを強化できるようになった。
逆に短所としては、例えば「熱唱びわ」に代表される、積極的に装着するにはあまり意味のない装具を着ける事が、装具枠を一枠消費して身に着けなければならないというデメリットに直結するようになった。
これら装具は、戦いの事後に手に入る「資源」というものから開発する事で入手できる。一部の低級な装具は戦いの事後に入手できる事もある。
資源は各戦場ごとに異なるものが入手できるよう設定されており、いろいろな装具を手に入れるためにはいろいろな戦場で戦わなければならない。
装備とは少し違うが、戦いをアシストしてくれる「仲間武将」という概念もある。これはストーリーモードで仲間に出来るもので、連れて行くと少しいい事があったりもする。

他にもストーリーモードの強化がなされ、代わりに大武闘会は廃止された。
また、今作ではキャラクターの持つ武器による属性攻撃が非常に意義のあるものとなっており、重要なダメージソースと化した。
更には「戦刻ブースト」という事象が登用された。これは一定の条件を満たすと発動が可能になる、全敵の動きを極端に遅くする、一種の超能力と言えよう。この時には自キャラクターが非常に有利に動く事が出来るようになる。
もう一つ、各地の戦場には「おたずねもの」という特殊キャラクターが出没する事がある。このキャラクターは防御能力に長け、出現後一定時間で逃走してしまう、非常に倒しづらい敵キャラクターである。
しかしながら、もし倒す事に成功すれば、攻撃力・防御力・運のいずれかが上昇するボーナスを得る事が出来る。逆に言えば、全戦場で「おたずねもの」を撃破しないとキャラクターの性能が最高に達しないという事であるが。
あとは、剣劇とか陣大将とか……まあこれらはマニュアルでも公式サイトでも紹介されているし、ここでの紹介は割愛する。
そうそう、地味な変更ながら、キャラクターのアクションに「ダッシュ」が加わった事は大きいだろう。移動の遅いキャラも少しはマシに、速いキャラはもっと速くなっている。

グラフィックやムービーも強化されたし、より爽快なアクションに進化を遂げたし、まあ大体良い方向に進歩したタイトル、と言える。
不満な点としては、強いて言うなら、やり込まなければ碌にキャラクターも増えないし戦場も増えないしパラメータも伸びないし、つまりやり込みを強いる部分がある事くらいか。
割と変化が大きいので、前作と同じ感覚でいるとちょっと慣れるのに苦労するかも。とは言うものの逆に変化の大きさから前作を思い起こすのが難しいかもしれない。
全体的には良いゲームである。Wii版でも特にPS3版と比べての画質の劣化などは分からない(液晶TVでD端子ケーブル使用)。日本史にこだわりがなく、アクションゲームが好きなら買ってみても良かろうか。


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