いきなりネタバレかつどうでも良い感想で恐縮であるが、スクウェアって会社は本当、世界を破滅させたがるボスってのが好きなんだなあ。
世界破滅させて何かいいことあるの？ 破滅させちゃったらそのあとはどうするの？ 突き詰めると本人の自己満足なの？
などといろいろ問い詰めたい事はあるが、回答の得られる質問ではないだろうし、もっと言うとどうでも良い問いなのでこのくらいにしておこう。
さて、本編の感想に移ろうか。
ゲームバランスはあんまり良くないようだ。レベルと武装をしっかり鍛えておけばまず負ける事はない。しかも一部ジョブの固有技が強力過ぎる。例えば竜騎士のグングニル。使い勝手抜群な上に超強力。これのお陰でラスボス戦が総合５分掛からないといった有様だ。
第一、最終ダンジョンに出てくるデュエルボス・バハムートの方がラスボスより明らかに強い、というか厄介。これもアンバランスさを引き立てている。
また、ストーリー本筋とは直接関係はないものの、街の住人の記憶を呼び覚ます記憶のダンジョンには、強い運が必要とされるものが混じっている。実力ではない。運だ。
と、まあ、ざっと述べただけでもそのアンバランスさは分かってもらえると思う。スリルというものとはやや縁遠い。
では何が楽しいのかと言うと、その緩めの難易度を楽しむというのが一つ。
ある意味、安定した道中を楽しめるので、胃に優しいと言う事ができる。
だから不思議のダンジョンというよりも普通のロールプレイングに近いと言えよう。賛否両論あるだろうが。
そして忘れてはならないのがＢＧＭ。今までのファイナルファンタジーシリーズ（１から１１まで。その他のゲームからも）から様々な曲を引用しアレンジを加え、質の高いモノに仕上げている。
一歩間違えれば曲の使い回しとも取られかねないこの行為だが、アレンジの効かせ具合が絶妙でそうと感じさせない。
ゲーム中のジュークボックスを動くようにしていれば、クリア後に全曲を聴く事が出来る。敢えてお薦めの曲というものはないが、全曲ともとても良く感じた。
なお、予備知識、即ちファイナルファンタジーの曲に付いて全く知らずとも、充分音を楽しむ事ができるであろう。
勿論予備知識があればもっと楽しめる事は疑いない。
弱点としては、ゲームバランスの悪さの他には、操作性の悪さとロード時間の長さが挙げられるかと。
ロード時間の長さはまだ許せるが、操作性の悪さは少しいただけない。具体的にはWiiリモコンのみでプレイする場合、チョコボの移動がやや難しい。ヌンチャクが使えれば良かったのにと思う。ただクラシックコントローラに対応しているので、それを使えば操作性に関しては改善されるかもしれない。
あと主人公のチョコボが、なんだか言い様に使われているだけのような気もする。所詮は動物なのか？ そうなのか？
正直、不思議のダンジョンシリーズと言うよりはファイナルファンタジー系の亜種という側面が否めない。勿論それはこのゲームの価値を貶めるものではないものの、一部の人向けという印象が否めなかった。
クリアには大体３０から４０時間程掛かるか。ファイナルファンタジーファンの人にはお薦めしてみたい。