戻る


魔界戦記ディスガイア 魔界の王子と赤い月 プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


実を言うと私、このゲームは第1話もまだクリアしていない。それどころかチュートリアルから先に進んでさえいない。
しかしそれでも、このゲームの雑感を書く事ができるのだ! 何故ならこのゲームはストーリーを度外視して遊べるゲームだからである!
チュートリアルさえクリアせず、それでも72時間このゲームをやり込んだ私。そんなプレイができるのも、このゲームの大きな特色である。
断っておくが、プレイ時間72時間などというのは全く誇るに値しない程度のプレイ時間でしかない。聞くところによると総プレイ時間400時間やった猛者もいるとかなんとか。
例によって、この面白さを言葉で説明するという、ある意味だいそれた行動に出てみたい。

何がそんなに楽しく、何がこのゲームの魅力なのかと問われれば、「やり込めれる」というその一点に尽きるであろう。
底しれない鍛練(一応底はあるようだが)こそが、このゲームの最大にして最高の徳なのだ。
……今ちょっとだけ「唯一の」という表現も浮かんだが、流石にそれはないと思うので引っ込めたい。
やっぱり何が楽しいって、ひたすら黙々と求道者のようにレベルアップに励み、敵を倒す事が楽しくて堪りませんな。
一応、このゲームは戦術シミュレーションの筈だが、育成シミュレーションとも言えるレベルのゲームである。

「それって楽しいの?」という疑問は至極尤も。話だけ聞けば誰でもそう思うだろう。
だが、やってみるとこれが楽しいのだ、何故か。麻薬的面白さと言うか、歓びを感じると言うか。
論理的に見れば何が面白いのか分からない事というのは世に溢れているが、これもその類の1つなのではないかと思われる。
そもそも、突き詰めていったらこの世に面白い事なんて1つもない、なんて回答にもなりかねないので、この点に付いてはスルーしてもらえるとありがたい。
「そういうモノ」と理解していただければそれで済むし、それが一番正しい解釈であろう。

さて、ゲームとしての面白さはひとまず置いて、単純なゲームの良い点と弱点に付いて述べてみたい。
良い点は、ニンテンドーDSの2画面分割を最大限活用したところか。戦術パートでの地形効果などの把握は1画面だけでは心許ないが、画面がもう1つ加わる事によって非常に把握しやすくなった。
生憎地形の高低差までは表示してくれないが、ジオエフェクトによる地形効果・敵との距離・ユニットの方向などの把握にこれ以上心強いものはない。
弱点・欠点としては……特にないように思う。聞くところによれば、「他機種の『ディスガイア』と大差ないところが宜しくない」と言われているらしいが、このDS版が初めてならなんら問題ないしね。
勿論人によっては、この無意味とも思えるゲーム性に耐えられない人もおられると思う。だがそこを敢えて一度やってみて欲しいゲームである。投げるのはそれからでも遅くはない。


戻る