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ダン←ダム プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


ジャンルは……適当に名付ければ「放置型シミュレーションロールプレイング」とにでもなるだろうか。
大きく分けてストーリーパート、待機パートと出撃パートに分かれているが、ゲームの肝であるはずの出撃パートに於いて、プレイヤーが大して干渉出来ない事からこう名付ける。
尤も、これがこのゲームの味を出している面もあるので、一概に悪い部分であるとは言えないのだが、ちょっとツッコミどころであるとは言わざるを得ない。

先程言ったように、ゲームは大体3パートに分かれている。
まずストーリーだが、大雑把に言って脅威へ立ち向かう人類の葛藤、みたいな。本当に大雑把で済まないが、詳しく言うと肝心要の部分が暴露されてしまうのでこう言う他にない。
メインシナリオ・サブシナリオともに、人間というものを良く映し取っていると思う。オープニングムービーはふざけた感じなのだが、本編は寧ろシリアスの骨頂とも言える。
私見では中盤に掛けてが一番の山場。そのまま一気にクライマックスになだれ込む感じだ。個人的には裏切りがなかったのが良いと思う。

次に待機パート。ここでユニット編成や装備整備などの出撃準備を整えたりする。セーブもこのパートで行われる。
最序盤には街の機能の殆どが停止しているため、殆ど何も出来ない有様だが、そこを乗り越えればいろいろな事が出来るようになる。
とはいえそこを乗り越えても、序盤及び中盤は資金不足に苦しむだろう。やる事が多いし、やらなければならない事も街の発展と共に増えるからだ。
資金不足を乗り越えれば、やる事は第一にユニットの整備になる。ユニットの雇用と装備の整備だ。
ユニット雇用は4人パーティーのバランスを取る事を考える必要があるものの、試行錯誤していって納得のいくパーティーになればそれを敢えて崩す必要は特になくなる。
あとはユニットの装備を充実させてやる事。武器と防具どちらが重要かというのはない。多分両方とも重要。

攻略のメモ的に書き残せば、パーティーは7部隊程あればいいだろう。6部隊では少ないし、8部隊ではやや多い。
パーティーの構成は、各パーティーを均一化させるよりも、ダンジョン探索向けと街防衛向けに分ける。ダンジョン探索には3部隊しか割り振れないためだ。
街防衛はどちらかといえば火力重視のパーティーで良い。ダンジョン探索にはまずシーフが必須。罠にかからないためにはこれしかない。
あとはヒーラーと学者がいれば望ましいが、このユニットを入れると火力が落ちるので、1パーティーでいいから高火力部隊を作っておきたい。属性攻撃のできるウィザードがいると楽になる。
それと、武器を合成させると稀に属性や強化が掛かる事があるが、これは武装の種類によりある程度決まっているもよう。つまり特定の武器には特定の効果が付き易いといった事。
これは利用する事も出来るし、武器防具の強化の妨げとなる事もある。旨味のある武器防具を見付けていこう。

そして出撃・戦闘パート。……実はここが一番中身がない。いや、見てる分には面白い事は面白い。だが基本的に見てるだけしか出来ないのだ。
出来る事といえば、戦闘で部隊がピンチに陥ったら、待機指示または撤退指示を出す事くらいしか出来ない。
それはそれで結構目の離せない事態ではあるが、慣れてしまうと集中がつらくなる。というか、作業化してしまう。
もう1つの出来る事・ダムからの放水についてはなんとも言い兼ねる。何故ならこの放水、使い勝手が悪い事この上ない。一応このゲームの柱のはずなのに。
正直言って放水して味方ユニット諸共敵を流し去るより、敵の群れの中に味方ユニットを突っ込ませて乱戦にした方が得だし増しだ。

ゲームとして最大の弱点としては、セーブ可能領域が1つしかないのが痛い。このゲームは選択により特殊味方ユニット及び転職後の上級職が選別されるというのに、セーブ領域が1つしかない。
この弱点でストーリー分岐とかが一気に色褪せて見えてしまう。また、エクストラダンジョンはあるが2周目はない。
エクストラダンジョンの事も考えると、セーブ可能領域は3つ程欲しかったところだ。

……と、まあ、いろいろ述べて来たが、総合的にはまあまあと言えるゲームなのではないだろうか。
主にストーリーを楽しむゲームであると割り切ってプレイするのも良いし、ユニットの強化に血道を上げるのも良い。ただしユニットのレベルは40でカウントストップするが。
やや辛辣な言い方になるが、短くても2週間程度の暇つぶしにはなるだろう。一時の面白さは確かだが、あとが続かないのがちょっと残念なゲームである。


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