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小さな王様と約束の国 プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


小粒なソフトを揃えたというWiiウェア、にしては、やり込み要素も多くかなり遊べるゲーム。
ジャンルは「国造りRPG」を謳っているが、私見では「街造り&育成シミュレーション」に近い気がする。
家を建て、商店を建て、国民、というか住民と積極的に話し、住民の幸福度を上げていく楽しさがある。
冒険者を育て、武装に投資し、魔物を倒して育っていくのを見る達成感がある。

このゲームのクリア目的は、魔物の王「ダークロード」を倒す事。
私の場合、冒険者が12人、その平均レベルが35、建国206日目で目的を達成、エンディングを迎えた。総合評価はBだった。
そこまで行くのは決して平坦な道程ではなかったが、極めて難しいというわけでもない。206日も掛ければこの程度は誰でも充分にできるだろう。
正直言って、ダークロードよりも一般ダンジョンに稀に出現する赤文字モンスターの方が強い。こいつらを打倒する事ができるのなら、クリアはしたも同然であろう。

街造りの方は、序盤のうちこそ苦労させられるが、中盤を越える辺りからだいぶ余裕が出来始め、終盤にもなると資金や物資が余って仕方がなくなる。
つまり序盤を如何にして乗り切るかがポイントになるわけだ。このゲームの「序盤」を無理に定義すると、西方を完全制圧した頃になるだろうか。
住居はあればある程良い。税収も増える、住民に幸せを振りまけば更に税収も伸び、王様の活動時間も延長される。そのうち何もせずとも住民は幸せになるだろう。
建築物の撤去ができるようになってからが本番、いろいろ試してみて最適な街造りを試みてみたい。ちなみにこのゲームは初期状態だと土地にかなりの遊びが出るので、あまり計画的にならずともよし。

このゲームには2周目が用意されている。難易度が3段階に増え、1周目のちょっとしたデータの引き継ぎがあるくらいだが。
つまり1周目はチュートリアル……と言うのは言い過ぎか。なお、1周目の難易度は「ノーマル」に設定されている。
難易度的に物足りない、という人のための救済策(?)なのだろうが、悪くはない発想である。
クリア後の総合評価にも難易度が関わってくると見られるので、ヘビーゲーマーは「ベリーハード」に挑戦してみるも宜しかろう。

さっきも言った通り、国土というか土地には遊ぶ土地がかなり出てくるが、これは「追加拡張データ」のためであると推測される。
ダウンロード販売で新規ダンジョンを追加する事ができ、そこのクリアにより様々なおまけが付くという寸法だ。
ただしこのデータのダウンロード、販売というからには当然有料である。Wiiポイントを消費するわけだ。
このゲーム本体が1500ポイントなのに、追加データを全部購入すると1300ポイント必要になる。良く考えて購入したい。

弱点・欠点は特にない、と言いたいところだが、追加拡張データを購入しないと総てを極められないというところが最大のイヤなところである。
面白いゲームであり、やりがいもあるのだが、こういう商法は私はあまり好まない。
「完全版パック」とかいうものを2500ポイントで始めから販売するとかそういう手口の方がまだマシだと思う。
まあそれを言っても詮無き事であり、単品でもゲームとしての面白さは充分に味わえるので、遊んでいるポイントがあったら購入してみるも良いであろう。


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