戻る


がんばれゴエモン ゆき姫救出絵巻 プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


コナミ社がかつて出していたシリーズ(寡聞にして、現在このシリーズが出ているという話は聞かない)の、スーパーファミコンでの第一弾、それがこの『ゆき姫救出絵巻』である。
ジャンルは大まかに言うならアクションに属するが、単なるそれ、単なるアクションではない。ロールプレイングやアドベンチャーの要素も含んでいると見受けられる。
そのジグザグぶりとでも言おうか、一種のなんでもありといった趣が奥深さと味わい深さを醸し出している。以下に、その特徴を述べていきたい。

ストーリーの大体の筋書きとしては、幽霊騒動に首を突っ込んだら、そこから壮大な陰謀に巻き込まれた、といった感じである。
作中で物語を語りながら進むので分かり易い。置いてけぼりを喰らう事もない。突拍子のない展開もなく、良い意味で順当な進み方をする。
アクションの展開としては、第一段階の平地ステージ、第二段階のスクロールステージ、第三段階のボスステージ、といったように分別されている。

目的地は必ず一つであるが、そこに至るまでの道筋、厳密には寄り道が多く用意されており飽きさせない。この「寄り道」というのは分岐という意味ではなく、寧ろギミックに近い。
いろいろなところにいろいろなものやら施設やらが立ち並んでおり、プレイヤーの好奇心を満足させてくれるようになっている。これがこのゲームの真骨頂とでも言えよう。
特に施設の多種多様ぶりには目を見張るものがある。攻略に役立つ万屋や食事処から、攻略上は全く無意味な見世物小屋まで、思い付いたものは大体入れてあるのではないか。

しかし、軟派なゲームというわけではなく、アクションとしての難易度は割と高い。無鉄砲に突撃すればまず倒される。
ただ、その対処法としては、アクションの基本・プレイして身体で攻略法を覚える、という手段くらいしか対処法はない。この辺り、硬派とも古風とも言える。
一応、難易度をやわらげる救済策として、一定回数のダメージを防ぐ防具や、回復アイテム、ショートカットルートなどが用意されてはいる。

それ以外につらいところ、弱点・欠点というようなものはこれといってないかと。やりがいはあるがあり過ぎるというほどでもないし。
強いて言うなら、ゲーム内でセーブに未対応・コンティニューがパスワード方式である、というのは痛いかもしれない。とはいえ、WiiU側のバックアップ機能でフォローが出来る。
贔屓目とは思うものの、いまどきパスワード式コンティニューというのも寧ろ新鮮に感じられる。流石にメモに記入したりまではしなかったが……。

20年以上昔、1991年製のゲームとはいうものの、現在なお鑑賞に堪えうるビジュアルやBGMの高品質さも光る。個人的にはBGMが特に良いと思っている。
何よりゲームとして面白い。これがゲームなのである、と胸を張って言う事の出来るゲームではないであろうか。
難易度こそ渋い部類に入るが、ゲームというものをやりたいのであれば、一度触ってみる事を広い層へとお勧めする。


戻る