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ヒューマン・リソース・マシーン プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


フライハイワークス社が提出した、プログラミングパズルゲームと言うゲームジャンル、それがこの『ヒューマン・リソース・マシーン』である。
内容は、課題に対して適切な回答をプログラムによって示す、真にプログラミングパズルゲームと言うより他にないものである。
この「プログラム」と言うのは即ち、コンピュータに対する命令を意味する言語の一種と受け取ってもらえれば間違いない。
以下にゲームの内容と所感を述べていくつもりであるが、正直な話、私にとっては難易度の高いゲームであった事を前提に受け止めてもらえれば幸いである。

プログラムを扱う、と言うゲームであるが、ゲームの一種である以上、ゲームのクリアが目的となっている。
構成としては、各ステージで与えられる課題を、プログラムによってクリア出来ればステージ突破。それが37ステージ分ある。
ゲームとして当然と言うべきか、最初のうちは割と簡単な課題から始まり、終わりに近付くに連れ本格的なプログラム編成が要求されるようになる。
また、本来プログラム、……と言うより現実にはしばしば明白な解答と言うべきものはないが、これはあくまでゲームであり、最短手、最良手と言うものが存在する。
更に失敗に寄るペナルティ、及びタイムリミット、そしてゲームオーバーと言った概念はない。時間の許す限り、プログラムの構築に集中する事が出来る。

ゲームのターゲット層としては、推測ではあるが、プログラムの未経験者を目標にしているのではあるまいか、と言う感覚がある。
敢えて言い換えれば、ずぶの素人をどれくらい引き込めるか、と言う事も出来るかもしれない。ある意味で意欲作と言える事は間違いないと思われる。
実は、各ステージにはクリア目標はあるものの、どうクリアしたかは基本的には問題ではなく、課題をこなせばステージ自体はクリアしたと見做される。
だから、クリアは簡単ではないが、必ずしも最適解を導き出す必要はない。ダラダラしたプログラムでも課題さえ達成すればステージクリアとなるのである。
つまりこのゲームの肝としては、各ステージのクリアよりも、各ステージの課題に対してどれだけ最適なプログラムを成立させれるか、と言う事に尽きると思う。

ゲームの感触としては、たまに見掛けなくもない、ある種の「現実のシミュレート」と言う形容がぴったり来ると思われる。
しばしば一部のユーザーに言われる「ゲームでまで現実を味わいたくない」と言う意見に真っ向から対立する類のゲームと言えよう。
個人的にはそれもまた一興と思っているが、合わない人には合わないであろうし、そもそも論理的思考を余儀なくされるゲームである以上、遍く推奨は出来かねる。
価格1000円は高価とは言わないものの、事前に自分自身と相談して購入するかを決定してもらいたい。繰り返すが、合わない人には徹底して合わない事が予期されるので。


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