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毎度 へぼ将棋 プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


アークシステムワークス社が発した、いろんな意味で脱力感の漂う将棋指しソフトウェア、それがこの『毎度 へぼ将棋』である。
普通というか、通常のソフト開発者の思考パターンとしては多分、「より強く、より早く」だと思われるが、このソフトは少なくとも、どちらも目指していない。
第一、CPUのレベルが最強で「普通」というところからして、その内実を推して知るべしである。

私が将棋のCPUレベルについて、どうこう述べる事が出来るほどに強くないため、主にその他の部分の事を述べていってみたい。
対局の傍らでNPCの「まこと君」と「ジョージ」が繰り広げる掛け合いは、このゲームの雰囲気をぼやかす効能が確かにある。たまに度が過ぎるきらいはあるものの。
この手の将棋ゲームには欠かせない「待った」も実装済み。使用回数も無制限。とはいえ、あまり使いたくはないものであるが。
CPUは割と長考する。初心者・下手の横好きに優しくする意味でそうしているのかもしれないが、多分プログラムが甘いだけと思われる。
BGMは同社の他シリーズ(『おきらく』シリーズと思われる)の使い回し。BGMくらいはオリジナル作れ。それとも敢えて使い回したのであろうか。
以上の事を大局的に見れば、全体に通じる雰囲気として「ゆるい」という事が言えるのではあるまいか。開発者の思惑は恐らくそれであろう。

……という感じであり、全体的には大して目立つところのないソフトウェアとも言えてしまう、やや残念な出来となってしまっている。
正直言って、このゲームに500ポイントはやや高い。「ちょっと楽しむ」程度のソフトウェアであるからして、私見での適正価格は200か300か。
もっと、CPUのレベルを落とした分サクサク進ませるとか、更にサイケな雰囲気を醸し出すとか出来れば良かったのに。言いたくはないが残念な買い物であった。


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