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ケモノミクス プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


良くも悪くも非常に簡素なアドベンチャーゲーム。その簡素さが逆に想像力をかきたてる、かもしれない。
大筋としては、変な惑星に不時着した主人公が、その惑星土着の生物「ケモノ」を使って地球に戻るために頑張る、というもの。
期限は2000日(=2000ターン)、その間に出来る事をやるのが一つの目標となっている。

究極目標は変な惑星に散らばった宇宙船のパーツを集め、地球に生還する事。そのためにケモノを強化するトレーニング、ケモノのパラメータ限界を引き上げるミックスなどを駆使し、各地域を探索していく。
宇宙船のパーツ7つは、7箇所の地域のボスを倒す事によって手に入る。
ボスはかなり手強いので、地道なトレーニングやミックスによる強化が必要不可欠。とは言え、普通にプレイしていればなんとかなる範囲のレベルではある。

ゲームはセミオートで進行する。探検やトレーニング、ミックスの成果はテキストと絵で表示される。メインはテキストである。
また、主人公が出来る事はケモノへの大まかな指示だけ。探索は完全にケモノ任せである。
ここら辺が見ようによっては味気なく感じられるかもしれないが、最初に述べたように私には上手い表現であったように思えた。
変にごちゃごちゃグラフィックを表示したり、切枝末葉に至るまで細かく指示するよりも、寧ろこちらの方が感情移入が容易い。
ある意味では『Wizardry』や『世界樹の迷宮』に近いものがあるだろう。あのレベルまで徹底していないのがやや残念であるが……。

ケモノ、アイテム、ケモノの特殊能力などは豊富に用意されている。一度目にしたモノはデータベースに記録され、いつでも見返すことが出来る。
特殊能力は面白く、探索に有利になるもの、戦闘で有利になるもの、戦闘スキル、マイナス効果の能力などが揃っている。
よく分からない要素ながら、ケモノの性格や血液型なども着目すべき点。また、特殊な方法でしか出てこないケモノが存在するようである。

総てがとてもあっさりしておりながら、安っぽさを感じさせず、取っ付き易く作られ、なおかつ普通に面白い。
まあ人によっては、チープな出来と感じる雰囲気であるが、言い換えると素朴と言う事も出来るだろう。
奥深さはそれ程でもないが私は時間を忘れてプレイ出来た。200ポイントのゲームとしては出色の出来ではないか。


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