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マリオゴルフ ワールドツアー プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


任天堂社製のゴルフゲームが3DSでご登場。タイトルも『マリオゴルフ ワールドツアー』! とても分かり易いタイトルと言えよう。
「ワールドツアー」を名乗るだけはあり、ネットと通信接続する事により、誇張抜きで世界のユーザーとスコアを競い合える仕組みになっている。
逆に、ネットと通信接続が出来なくともある程度は楽しむ事も可能ではある。とはいえ、やはり真髄というか本質はネット接続してから始まりとなる。

モードは大体2つ。ゴルフをバリエーション豊かなキャラクターで楽しむ「マリオゴルフ」モードと、自分の分身・Miiを活躍させる「プリンセスクラブ」モードがある。
まずは「マリオゴルフ」。適切な各コースを自由な条件で回れるモードである。最初から全要素が開放されているわけではないものの、自由度はかなり高い。
一人でプレイするのも良いし、ローカル通信による複数人数対戦もある。ネットに接続して全世界のユーザーと競い合っても構わない。
ネット接続では、特定の「大会」に参加する、という形を取る。好ましい・望ましい大会がそも存在しない場合には、自分で「大会」を開催し、参加者を募る事もまた可能。
また、通常のゴルフではなく、課題をクリアしてボーナスを得る「チャレンジ」という要素も存在する。プレイ必須ではないが、世界拡張のためにはほぼ必須と言えよう。

次に「プリンセスクラブ」。こちらでは基本的に使えるキャラクターはMiiのみ。顔や利き腕、ショットの癖などの要素はあとからでも変更は一応可能。
最初は行けるコースにも限定が掛かっており、キャラクターの性能も高くはないが、諸条件を満たす事により様々な事が出来るようになる。
Miiは基礎性能は変化しないが、クラブ・服装などを変更する事により詳細なカスタマイズが可能に。極端な飛ばし屋にする事も出来るし、コントロール重視ゴルファーにも出来る。
こちらのモードは、3コースをトップでクリア出来ればモードもクリアとなる。ただし終わりはない。厳密には通信対戦に挑む事こそ始まりであり本番である。
ネットでの大会に参加すれば、最低でも参加賞、入賞すればかなりの量のコインを貰える。コインはクラブなどの購入に使える他、若干の使い道があるため、持っていて悪い事はない。

面白いゲームであり、面白いゴルフゲームである。ただ、そのかなりの部分がネット接続による通信対戦或いは大会に依存してしまっている事は弱い部分かもしれない。
これは、ネットに接続出来る環境を持たない方々に辛いという事だけではなく、いずれ終わるであろうネットの環境の事を思うと、無条件に賛美するというわけにもいかない。
勿論、ネット環境が簡単になくなるなどという事は通常考えづらいがしかし、現にDSでのWi−Fi通信システムはつい最近あっさり終焉を迎えた。
正直な話、このゲームソフトは先程も述べたように、ネット接続が出来て初めて始まる、といった部分が大きい。大会開催が終わったら、ゲーム自体がらんどうになる事も予測される。
大会は少なくとも9月辺りまではやる予定であるが、その後は全く分からない。そこまでいったらもうこのゲームに飽きている、とかいう事は関係ない。ゲームの寿命は短そうである。

決して、やり込みに欠けるゲーム、というわけではないし、ちょっと楽しむにはちょうど良いゲームでもある。バランス感覚は絶妙と言える。
ただなんというか、長期に渡ってのモチベーション維持が難しいと言うか、飽きてしまうのも早いゲームなのではないであろうか。魅惑が長続きしない、とでも言おうか。
この面白さをもう少し、オフラインででも発揮出来たならば、と思う出来。悪いゲームではないが、賞賛は致しかねる。


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