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メタルマックスリターンズ プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


メタルマックスシリーズ第1弾のリメイク作品。ハードウェアもファミコンからスーパーファミコンへと進化しての登場である。
流石はプラットフォームがスーパーファミコンだけあって、前作から外面的にも音質的にも大幅に良化されている。
勿論内容面も大きく良化……と、単純に言い切る事は出来ないが、改変されている。以下に、その変化点を中心にゲームの感想を述べていきたい。

まずは操作面から。ハードウェアの仕様上ボタンが6つに増えており、そのボタンそれぞれに機能を割り振る事が出来る、のは最早当然。
しかし、L・Rボタンに付いては「ボタン拡張」なる機能を割り振る事が出来るのである。これはLボタンまたはRボタンを押しながら他の4つのボタンを押す事で、その操作に機能を割り振る事が出来るというものである。
例えば、Xボタンは初期設定ではキャンセルのみ割り振られているが、ボタン拡張を活用する事によりキャンセル以外に2つの機能を割り振る事が出来る。他のボタンにも割り振る事が出来るので、4つのボタンに3つの機能で事実上12のボタンがある事に匹敵する。
多少操作がややこしくなるがこれは便利この上ない。前作『2』にあったコマンドアウト機能だけはなくなっているようであるが、その事が全く気にならなくなるくらいに便利なボタンの活用法である。

次に攻略・進行面を。賞金首の追加に代表される各種追加要素は無論の事、ファミコン版原作で倒す必要のあった敵も、ショートカットルートの存在により、一部を除いて必ずしも倒す必要がなくなった。
ただし、そのショートカットも楽な道ではなく、下手を打つか運が悪いと全滅させれる危険性はある。とはいえ、元々全滅する事のペナルティがほぼないゲームだけあって、ショートカットを利用するメリットの方が目立つ。
序盤は兎も角、全体的にも攻略の自由性は格段に上昇している。しかし、あくまでも「自由」なのであって、「楽」という事は決してないので注意。
やり方次第では面白い進行ルートを辿る事も出来るし、逆に一々眼前のイベントを消化していっても良い。そこを総てひっくるめての「自由」、それがメタルマックスの醍醐味である。

醍醐味と言えば、メタルマックスの重要なゲームの味付けの一つとして、敵からのドロップアイテムゲットが挙げれるであろう。
前作『2』では、「その戦闘で最後に倒した敵がアイテムを落とす可能性がある」というドロップシステムであったが、今作ではそれに「戦闘終了時までに掛かったターン数によって2通りのドロップからどちらかのアイテムを落とす可能性がある」という条件が加わった。
具体的には、4ターン未満(つまりは3ターン以内)か4ターン以上かでドロップアイテムが変わる。例えば、マッド・マッスルであれば、前者条件ならオイホロカプセル、後者条件ならサクランHIを落とす可能性がある。
故に、「誰が」「何を」「どういう条件の下に」アイテムをドロップするか、知っておく必要があるという事である。『2』よりもややこしくなったが、その分モノは増えているし、ドロップを念頭に置いた戦闘スタイルの構築に頭を使う楽しさも増えた。

弱点・欠点はこれと言ってないであろう。強いて言うならファミコン版原作よりも、正面から取り組んだ場合の難易度は上がっているかもしれない。
尤も、良くも悪くもファミコン版原作を忠実に引き継いでいる事は、見方によってはマイナスかもしれない。Wiiのバーチャルコンソールでは、ファミコン版原作も配信されているからである。
確かにいろいろと変化は加わった。とはいえ、大局的に見れば同じ、ようなものである事もまた事実。人によっては『2』の方がより魅力的に映る可能性があることも否定はし切れない。
あと敢えて言うなら、自由度の高さが諸刃の剣となっている面もあるかも。中盤頃からは何をすべきか皆目分からない、という事態も想定出来なくもないからして。

しかし時代は流れた。メタルマックスは『2』や『R』の頃が一番輝いていた……なんて思っていた一部のコアユーザーを良い意味で裏切り、『3』や『2R』がDSで発売されたり、こうしてWiiで『2』や『R』が配信される日が来たのである。
このシリーズもいろいろな紆余曲折があったらしく、ウェブで調べれば様々ないわくが分かるのであるが、それはこのゲーム自体とは大して関係がないため割愛する。
今、このゲームをプレイしているユーザーが、このゲームを楽しんでいれば何よりであろう。その一言に尽きる。


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