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マジカルファンタジスタ プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


説明しよう。「ファンタジスタ」とは、元はイタリア語で、サッカーの攻撃的名プレイヤーを指す他称である。
従って「マジカルファンタジスタ」とは、イタリア語とイギリス語が混ざっているものの、まあ、「魔法がかったサッカープレイヤー」を称賛する意味と言って良い。
だがしかし! このゲームは決してサッカーゲームなどではなく、れっきとしたファンタジー・ロールプレイングゲームなのである!
じゃあ何故「マジカルファンタジスタ」などというタイトルが付いているのか。それは私などの知の及ぶ範囲の事ではない。きっと何か深遠な意味が込められているに違いない。
ゲームディレクターが「ファンタジスタ」の意味さえ知らずにタイトルを付けた、などという事は決して有り得ない。何故ならそれはあまりにもスカタンな話であるからだ。
……本当にそうだったら? 知らん!

さて、ゲーム自体は至極王道的なロールプレイングである。設定もさる事ながら、システム周りもオーソドックスに出来ている。
ストーリーは、やや手堅くまとまりすぎている印象もあるが、良い点としては無理がない事が挙げられる。
演出も地味な感じを受けるものの、最低限の事はしっかり出来ている。称える程ではないが及第点というところか。

システムも手堅く……無難にまとめたと言うか、逆に言えば個性がないと言うか。
絶対性経験値型のレベルアップに、6属性の魔法、4人パーティーに、素早さ順の戦闘サイクル。
「ステラ」というモノからスキルを抽出するシステムが目に付く程度だが、これも然程に斬新ではないだろう。

あとは……ゲーム中で登場したアイテム・敵などが自動登録される魔法辞典がある事が言えるくらいか。
だがこれも名前のみの登録であって、その内容が分からないという弱点があるし、添え物程度に考えるしか。
第一、ゲームの見た目からして今一つパッとしないから……。ドット絵はまだいいが、フィールド上のキャラクター絵もせめて3頭身は欲しかった。

と、まあ、個性的ではない、目新しくはない、格好良くはない、というゲームである。
ただ断っておくが、面白くはない、という事だけはない。とは言え面白い、という事もまた言いかねるのであるが。
どうも半端な印象が先立ってしまいがちである。じっくりやれば面白いのかもしれないけれど、じっくりやる気力を萎えさせる作りであるとでも言うべきか。
あまりお薦めは出来ない。しかし手頃なロールプレイングを求める向きにはまあ良いのではあるまいか。


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