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モン勇 プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI



良い子の諸君!

よく頭のおかしいライターやクリエイター気取りのバカが
「誰もやらなかった事に挑戦する」とほざくが
大抵それは「先人が思いついたけどあえてやらなかった」ことだ
王道が何故面白いか理解できない人間に面白い話は
作れないぞ!

(Webの海より引用・アスキーアート省略)

いきなり不穏な引用から始まって恐縮であるが、当レビュー文章は、当該のゲームに対してかなり手厳しい事を述べるつもりである。
当然ながら、述べる事は私と言う個人の主観である事を考慮に入れても、その根源には当該ゲームのどうしようもないほどのダメさがある。
そのダメさ加減と、その上で何故に私が敢えてこのゲームを購入したのかを述べていってみたい。

エクスペリエンスから出された3Dダンジョン探索系ロールプレイングゲームの一つ、それがこの『モン勇』(略称)である。
曲がりなりにもレビュー文章で対象のゲームを略称で呼称するのは、正式タイトルが無駄に長大であるからと言う事情がある。
と言うよりは、このタイトルを見た、或いは聞いた時点で、このゲームに対して所謂地雷臭を感じ取っていなければおかしい。
売り出すモノには、覚え易い・分かり易いタイトルを付けるのがセオリー、と言う事も分かっていない事が察せられるからである。

さて、肝心のゲーム内容かどうかと言うと、率直に言ってガタガタの出来と言って全く差し支えない。
総てが噛み合っていない、と形容すれば概ね正しいであろう。総て、とはこのゲームを構成する要素総てである。
3Dダンジョン、ハック&スラッシュ、攻略評価、レベルキャップ、スキル習得、アイテム育成、他諸々。これらの総てに殆どシナジーがない。
いっその事、このゲームはプレイヤーに対する悪意で以て作られた、と言ってくれればまだ腑に落ちる。しかし恐らくそうではない。
そこで当文章冒頭の引用が出てくるわけである。少なくとも、エクスペリエンスの上層部には当ゲームを許容した残念な愚物が居る事は確かと言えよう。

推測するに、当ゲームの開発元が目指していたモノは『ウィザードリィ』系のロールプレイングであったのであろう、とは思われる。
しかし当ゲームが『ウィザードリィ』に近付くのは、プレイと言う苦行を終えるクリア後、と言う驚嘆すべき仕様となっている。
当ゲームの体験版もプレイし、期待値が限りなく下がっていた私が当ゲームを購入したのは、クリア後に一縷の望みを賭けていたからである。
とは言え、このゲームは『モン勇』であり、『ウィザードリィ』ではない、と言う当たり前の現実を認識した時、プレイへの情熱は潰えた。

褒めるところは全くないのか、と問われれば、そんな事はない。3Dダンジョン系ロールプレイングとしての面白さはある。最低限のそれではあるが。
長々と述べてきたが、正直、このゲームを知るには体験版をプレイすれば充分。尤も、体験版自体、期間限定配信と言う呆れるまでの愚劣さ。
無駄にお金を遣った、とは思わないが、当ゲームを皆さまに推奨する事は出来かねる。尤も、購入を否定まではしないので、落胆を味わいたいなら買われるも良し。


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