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信長の野望・創造 withPK プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


コーエーテクモ社が発する伝統の作・「信長の野望」シリーズの一つがニンテンドースイッチ版で登場、それがこの作『創造 withPK』である。
「PK」は「パワーアップキット」の略であり、要は無印版から改良が施されたもの、と思って間違いない。なお、スイッチには、無印版は存在しない。
とは言え、私は無印版をプレイしてはいないため、パワーアップキットの恩恵を受けた部分に関して述べる事を出来ない事は断っておく。
では以下に、このゲームの特色やそれに関する感想を述べていってみたいと思う。些かややこしくなるかもしれないが、お付き合いいただきたい。

ゲームの究極目標は、日本全土の統一である。とは言え、全勢力を殲滅する必要はなく、従属させたりする手もあるにはある。
敵勢力の殲滅も従属も一長一短であり、どちらを取るのかは状況に応じて使い分けると良いであろう。
殲滅と言うのは具体的には、敵城を落とせば良い事である。手間が掛かるが、日本全土の城を手中に収めれば勝利条件を満たす。
逆に手持ちの城を総て失えばゲームオーバーとなる。この辺りは流石に当然と言うか、今までのシリーズの恒例と言っても良い。

システム面であるが、説明が難しい。敢えて大雑把に言うと、行動力を溜めて内政・外交などの手段を行う事になる。
序盤はやれる事に強い制約、と言うよりは不足が多くなりがち。なんでもそうではあるものの、ある程度軌道に乗らないとまともな行動が取れない。
ただ、これは選択した自勢力の立地や所属武将にある程度影響される。有能な武将が所属していれば、行動も少しは効率的になる。
一部の大名は煮ても焼いても喰えないような僻地にいたり、或いは極端に所属武将が少なかったりする。これらはマイナーかつマニアックな選択になるため、気にし過ぎる事はない。

大名には志向が存在し、その志向と配下の志向が合っていないと忠誠値が低下する、と言う若干面倒な仕様が存在する。
個人によって一定の値が異なるが、忠誠値が一定値以下になれば、出奔や裏切りが予測される事態となる。当然マイナス効果しかないため、予防が重要となる。
しかしながら、忠誠値を上げる手段で手っ取り早いものは、家宝を与えるくらいしかない。当然、数に限りがある上、仕入れるにもお金が掛かる。
故に、どうしても手放したくない配下にのみ絞って、考えて家宝を与え、しばし誤魔化す事で繋ぎとめると良いであろう。なんと言うか俗物的であるが。

ゲームのオプションは妙に充実している。難易度の細かな調整、武将のエディットモード、チュートリアル、BGM観賞などが実装されている。
実在した武将個人の一口エピソードなども見ていると面白い。かつてのシリーズでの顔グラフィックなども併せて観賞するのも一興。
また、プレイ記録と言う、PS4などで言うところのトロフィーシステムが付随している。ただの実績と言う事だけではなく、条件を満たせば特殊な武将の開放に繋がる。
尤も、プレイ記録のコンプリートを目指すのは、ほぼ狂気の沙汰と言って良い手間が掛かる。私はそもコンプリートを目指さなかったし、お薦めも出来かねる。

弱点と言うか、この手の壮大なゲームにありがちな事として、途中までは面白いものの一定ラインを超えると手段が作業化してやりがいがなくなりがち。
具体的には日本を半分くらい制圧し、あとはめぼしい勢力もなくなるとそうなる事が予期される。難易度によってはそうではない可能性もある。
私見であるが、初心者だけではなく上級者の自覚があっても、最初は低い難易度で始めた方が良いと思われる。ゲームに慣れたのなら、難易度を変更するなりすれば良い。
一般的に見てかなり癖のあるゲームとなっている事は否定出来ないため、良くも悪くも慣れる事が先決。このゲームがシリーズ初となる方も、先ずはそこからであろう。

2017年12月31日:
一部誤字修正


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