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猫のいるタングラム プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


分類が難しいが強いて分けるならばリラクゼーションソフトウェアか。単純にゲームとは言い切れない部分があるようである。
その実はゲーム中に住まう猫「カゲネコ」が縦横無尽に飛び回る、ある意味で中々バイオレンスなソフトウェアとも言える。
基本的にはDSを縦持ちでプレイする。ちょっと残念な事には、右利きの人向けに設定されている。

まずタングラムとは何かという話だが、大雑把に説明するなら、数学的に計算され尽くしたジグソーパズルのようなイメージを思い浮かべてもらえればいいと思われる。
感覚的にはジグソーというより絵画にも近い気がするが、このゲーム中での扱いはほぼジグソーのようなものである。
マニュアルの中ででもその成り立ちについて詳しく説明してくれているので、興味あらばそちらを参照していただきたい。

タイトルには「タングラム」と堂々と出ているのであるが、実を言うとこのゲームは別にタングラムを楽しむだけのゲームでは決してない。
寧ろタングラムは二の次である。では一は何かと言えば、雰囲気を楽しむ事である。
多種多様な背景画とBGMを楽しみながら、タングラムを解いたりカゲネコと戯れたりする、雰囲気を愛でるゲームなのである。

このゲームで圧倒的存在感を誇るカゲネコは、癒しの存在であるとともにお邪魔キャラクター的存在でもある。
ペットを飼った事のある方なら或いは体験があるかもしれないが、なんらかのゲームをプレイの最中に、リアルで動物がゲーム機に体当たりしてそれまでのプレイがおじゃんになった、という事態は発生の可能性ありである。
カゲネコはデータをふっ飛ばしこそしないが、たまに画面外から疾風のようにやってきて、積み重ねてきたタングラムを豪快にクラッシュする事がしばしばある。

無論、カゲネコはお邪魔なだけでなく、かまい倒す事も出来る。要は目的がタングラムかカゲネコか、の違いとも言えよう。
猫じゃらしでじゃらしてみたり、只管行動をぼんやり凝視したり、猫っぽい動きを愛でたりといろいろな事が出来るようになっている。
猫をただの猫として表現するのではなく、影にしてイメージを膨らませるやり方を取ったのは上手いと感じれる。

時計機能も付いており、単純な時計として運用する事も可能である。実際はDSの電池残量の事もありそうはいかないかもしれないが。
暇な時に癒しを求めるにはもってこいのゲームと言えよう。ただし猫が好きという事が前提条件となるが。
そう、このゲームは猫派でないと根本的に合わないゲームなのである。まあタイトルで想像が付くかとは思うが、購入の際はくれぐれも注意していただきたい。


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