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オウガバトル64 プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


1999年に、ニンテンドウ64なるハードウェアで発売されたゲーム。タイトルに「64」とあるのはハードに由来するものであり、64作目というわけではない。
Wiiの上で動作するが、基本プラットフォームがニンテンドウ64であるため、起動に少々の時間が掛かるのが難点と言えば難点。
BGM・SEはまあまあ、グラフィックは見苦しくはない程度。初期のプレイステーションのゲームソフトよりはマシかと思われる。
ジャンルは戦術シミュレーション。難易度は一部を除いて初心者にも出来なくない程度の難しさ。なお戦略を巡らせることはないと言っていい。

ストーリーは基本明るいものではない。とは言え絶望的に暗くもない。ゲームの攻略によって救いのある展開になったりならなかったりする。
大筋は割と王道的。大雑把に説明するといろんな心の傷を抱えた青年が現実やジレンマと戦いながら成長していく、といった感じ。
場面場面でストーリーが分かりやすく劇的に披露され、そしてキャラクターの心象の説明が不自然でない程度に展開される。
序盤は説明不足で何が何やら良く分からない、というのもお約束ながら手堅い手法。勿論ストーリーが進むにつれ疑問は(ある程度)解けていく。

戦術シミュレーションとしてはまあまあの出来と思われる。程好く広い戦術マップに適切に配置される敵ユニットと拠点の攻略は戦術の立てがいがあるというもの。
ただし、より良い探求を度外視するというなら、ひたすらトレーニングしたり裏技を使ったりでキャラクターを強化し、圧倒的な力で簡単に戦術マップクリア、という事も可能。
そうでなくても基本的難易度は高くはないのだ。戦術系ゲーム初心者であろうと基礎知識があるならばそこそこの戦績を挙げられる。
しかしながら、所謂グッドエンドを迎えるためには気を付けるべき点が幾つかあるため、ある程度の専門知識はあった方が良い。攻略本や攻略サイト参照を嫌う方でも、一応基本事項的な部分は見ておくべきである。

Wii上でのバーチャルコンソールでの配信という形態のため、当然紙媒体のマニュアルはないものの、オンラインマニュアルとチュートリアルがあるので操作に問題はないはず。
ただ、あまり親切な作りとは言えないのではないか。ストーリーを進める上での要注意事項には触れられていない。例えば「制圧」と「解放」の違いは、マニュアルでもチュートリアルでも分からない。
システム構成的には普通。敢えて言うならばソフトリセットやゲーム中でのデータロード、メッセージスキップ機能とかが欲しいところであった。
今の時代に見直すと古めかしさは否めないものの、一昔前のゲームとしては恐らく優秀な部類だったのだろう。もう一つセールスポイントが欲しいとも思うが。


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