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ぷよぷよ!! ミニバージョン プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


今やすっかりセガ社の看板となった人気シリーズ『ぷよぷよ』を、ちょっと楽しむためのソフトウェアが3DSで登場した。それがこの『ぷよぷよ!! ミニバージョン』である。
ミニバージョンと銘打つだけあって、様々な箇所がいろいろとミニである。ゲーム根幹は大きく……と、なっていれば良かったのであるが、そういうわけでもない。
以下、どういった理由でもってミニなのかを、詳細に述べていこうと思う。

まずは、ぷよぷよシリーズの基礎ともいえる対戦。なんと、CPUとしか対戦出来ない。これは痛いを通り越して最早理解不能ともいえる。
ダウンロードプレイは無論、ローカルプレイにすら対応していない。当然Wi−Fiプレイなどにも対応していない。
それはまあ、同好の士がいないユーザーも少なからずいる事は間違いないが、かといってここまで多人数プレイを無視する事になんの意義があるのであろう。

次に使用可能キャラクターの少なさ。その数は5。どう言い訳しても、明らかに少ない。
ぷよぷよのキャラクターセレクトにおいては、キャラクターごとに設定された落ちてくるぷよのパターンこそが重要である事はその通りであるがしかし、だからといってキャラクターのユニークを無視する事は間違っている。
しかも、キャラクターが登場しないわけではない。ストーリーモードにおいて、CPU操作キャラクターでは魅惑のキャラクターが割と登場する。
これらのキャラクターにもボイス・アクション・パターンはしっかり付いている。ただしあくまでもCPU専用、言うなればNPC。プレイヤーに出来る事は見るだけ、倒すだけ。正直、理不尽である。
その割に、使用可能キャラクターの中に、ちゃっかりとラフィーナが混ざっている事に多少納得しかねる。彼女は恐らくぷよの落下パターンで採用されたと思われるが、ストーリーには出て来ないのにここに混ざっている事に違和感を覚える。

最後に、オプションモードがない。これは冗談ではない、本当にないのである。
難易度調整とかどうするの? と思われる向きもあるであろうが、幸いと言うべきか、このゲームにおけるCPUは然程に強くはない。
しかし、ならばなおの事、難易度調整が出来なくてはならない。大体、先に述べたように、CPUとしか対戦出来ないだから、オプションが付いていないというのは自害行為ではあるまいか。

……といった感じであり、以上をもってこのゲームを「ミニ」と評する次第である。
率直に言うと、ミニバージョンというよりは、有料の体験版のような感さえあり、今一つといった印象が否定出来ない。
これで300ポイントは、決してお買い得でも安くもない。購入を躊躇うレベルに留まっている事は、残念ながら間違いないと思われる。


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