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ピクロスe4 プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


ジュピター社謹製のパズルゲーム・ピクロスも早第4弾のご登場。それがこの『ピクロスe4』である。
煽り文句は別に何もないものの、見たところは今までのシリーズの総集編、とでもいえるような感じとなっている。
以下に、そう感じた理由を述べつつ、このゲームについての大体の感想などを述べていってみたい。

まず目に付くのは、『e2』に特有だったモード「ミクロス」の復活であろう。その下には『e3』で登場したメガピクロスもあるが、まずはミクロスである。
良くも悪くも『e2』時のままであり、長所も短所も同じ。やりがいはあるがサイズの大きさから結果を見切り易く、それで飽き易さがないでもない。
個人的に『e3』の時の廃止を喜んだ事もあり、この復活は喜ばしいとはいえない部分もある。しかしモード追加の一手としてはありではないであろうか。

次に「メガピクロス」である。こちらも『e3』の登場時からそのままの継続と相成った。「一繋ぎの2列にまたがる数字」という概念を持つピクロスである。
『e3』の時にはその新しさを賞賛したものである。実際にやってみると難易度の高さが身に沁みる良いパズルといえよう。
とはいえ、往時のインパクトは既にないともいえる。それはある意味仕方のない事ではあるものの、目新しさというそういったものがないのがやや惜しい。

そしてボーナスピクロス。といっても新しいパズルではなく、『e4』をプレイする3DSにかつてのシリーズ『e』『e2』『e3』のデータがある場合に追加されるものである。
1シリーズに付き5問開放され、全部で15問。内容はかつてのピクロスを改めて「メガピクロス」で楽しむ、というコンセプトであるらしい。
正直、かつての問題の答えなどはとうに忘れていたため、古めかしさというものこそなかったが、敢えて悪い言い方をさせてもらえれば、ただの焼き直しともいえてしまう。

なんというべきか、『e4』を名乗るよりは『e改』を名乗った方が良かったのではないか、と思える出来であった。
今作は特にこれといった進歩が見られない上、過去作の問題を(改造してあるとはいえ)載せてきた事がマイナスに働いているように思える。
新機軸というものを生み出す事が如何に大変か、という事くらいは分かっているつもりであり、今作に目新しさをもたらせなかった開発スタッフを責める気にはなれない。
しかしながら、今作がやや残念な出来である事も遺憾ながら事実と思われる。ジュピター社の次回作に期待したい。


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