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ピクロスe5 プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


ジュピター社謹製のパズルゲームシリーズ・ピクロスeも第5弾の登場と相成った。タイトルは『ピクロスe5』! 今までのシリーズを踏襲した分かり易い名である。
踏襲したのは名だけではない。中身も今までを踏襲した堅実な作りである。今作は『e4』を基礎として、そのマイナーチェンジバージョン……いや、出題が全く違うのでこの形容は正しくはないかも。
なお今作にも、今までのシリーズを購入した事によるボーナス出題が存在する。3DSの中に『e』『e2』『e3』のセーブデータがあれば、それらを自動的に認識し問題が開放される。

さて、今作は『e4』を礎として、それの出題と問題数のバランスを調整したものであり、特にこれといった目新しいシステムやアイディアなどは、残念ながら存在しない。
実を言うと、そのある種の無変化振りを私はあまり好ましく思えなかったのであるが、別の観点に立った時、その感情は消失した。
つまり、パズルゲームファンは、この一種完成されたシステム下で、いろいろな問題(『e』〜『e4』にあるいずれにもない新しい問題)を解きたいのである、と分かったのであった。分かってみれば単純な事である。

出題数は公式サイトにもある通り、150問ちょっとである。些か質の異なった問題も混ざっているため、単純に合算する事は無理である。
難易度は出題によってバラバラ。大体大きいフィールドのパズルほど難しい傾向がある。『e5』になっても、初心者から上級者まで楽しめる。
チュートリアルなども備わっており、全くの初心者でも安心。とはいえ、シリーズモノの『5』と銘打たれた作品をいきなり購入する初心者がいるとは思えないが。一般的に考えて、普通『1』から手を付けるであろうし。

これは言わば、円熟の域に達したシリーズなのである、と解釈すれば最も無理なく、かつ、納得のいくゲーム構成である。
あまりに目新しさや斬新さを求め、バランスを崩してしまっては元も子もなくなる。とはいうものの、過去の栄光にすがって冒険を試みないシリーズは先行きが暗い事を考えると、ゲーム作りというのも楽ではないと痛感する次第。
果たして次回作はあるのか、あるとすれば変化はあるのか、いろいろ考えていくとそういう部分も面白い。勿論、単純にパズルを楽しみたい方々には、とても良いゲームソフトであろう。


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