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けものフレンズピクロス プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


ジュピター社のある意味でのお家芸、「ピクロス」シリーズが、かの『けものフレンズ』とコラボレーション。その成果が当作『けものフレンズピクロス』である。
かの『けものフレンズ』とは言うものの、実を言うと私は、『けものフレンズ』に付いては、最低限レベルの知識しか持っていない事をここに白状しておく。
そのざまでありながら当作のレビューを書くのは、無知であるからこそ逆に、曇りなき目で当作を見る事が出来るのでは、と考えての事である。
では、どういったゲームであるか、実際に曇りなく当作を見る事が出来たのか、述べていってみたいと思う。

先ずは「ピクロス」なるものがどういった存在か、大雑把に述べると、ヒントに基づき図版のマス目を埋め、意図された画を完成させる事が目的のパズルゲームである。
或いは述べるまでもない基礎的知識かもしれないとも思うが、当作の特徴であるコラボレーション、と言う点から見て、一応であっても述べる必要ありと判断した次第。
その中、またはその上での『けものフレンズ』要素は何かと言うと、キャラクターが登場する事であったり、BGMであったりと、そういったところである。
尤も、キャラクターは類推してそうであろうとは思うが、BGMに付いては確信してそうであるとは述べかねる。何分、知らないものであるからして。

さて、私は当作の販売元・ジュピター社のピクロスシリーズは、殆どの作品を購入してきた自負がある。買っていない作品の方が少ないくらいと言えるはず。
その長年の体験から思うに、今回のコラボレーションは大いに有望なものと思われる。新たな道を切り拓いたと言えるレベルの可能性があるとも考えれる。
正直な話、身も蓋もなく言ってしまえば、幾ら新作を出されてもやる事が同じな以上、ピクロスと言うパズルゲームそのものに飽きてきたきらいが若干にしろあったのである。
もうちょっと露骨に言うと、折角苦労してパズルを解いても、何やらつまらない画が出てくるだけと言う、パズル以外の面白さがない部分が嫌になりつつあった。
そこで当作の登場と相成るわけである。やる事は同じにしろ、パズルを解いた先にキャラクターの登場と言うご褒美がある事は大いにパズルを解くモチベーションに繋がった。

もう一度繰り返すが、私は『けものフレンズ』と言う存在に付いて最低限レベルの知識しか持たず、故に『けものフレンズ』とコラボレーションされても無意味かと思っていた。
おまけにピクロスと言うパズルゲームに、飽きるを通り越して嫌気が差しつつあったと言う、最悪クラスの条件から当作をスタートさせた次第であった。
その私をして、当作はこうもやる気を出させる事に成功したのであるから、当たりを超えて大当たりと言える買い物ではあったと言えよう。
勿論、私がそうであるから他のユーザーにも成功するであろう、などと了見の狭い事を述べはしない。しかし、これは一種の成功パターンと言えるのではないかとの思いさえする。
このパターンは他に幾らでも適応させれるであろう事が最も大きい発見である。当作は『けものフレンズ』とのコラボレーションであったが、他にも提携先は幾らでもあるのである。

ただ、『けものフレンズ』のファンであるがピクロスは知らない、と言う層からすると、果たして当作がどのくらいのファンアイテムとなるかはやや疑念があると言えよう。
パズルを解かねば楽しめない作りになっている事は、パズルゲームとしては当然。とは言え、パズルが苦手、または嫌いと言う層が一定数存在する事もまた確か。
また、コラボレーションの結果か副作用か、当作の価格は1080円と4桁を突破してしまった次第である。買い切りのパズルゲームとしては少々高いかもしれない。
しかしながら、いろいろな可能性を感じさせる新しい風を感じる事が出来た。発想の方向性を多様に持つ事は、全方面に対して良い事であろう。


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