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ロックマン9 プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


『ロックマン』、まさかの新作! もう完結したものと思っていたので、新作が出るなどとはまさかのまさかであった。
今作は「古きロックマン」とでも言うべきスタイル。グラフィック・サウンド・SEのファミコンテイストは、ファミコンを知っている世代には嬉しく、知らない世代には面白いモノとして映るであろう。
ベースは『ロックマン』『ロックマン2』。今回のロックマンはスライディング無し、スーパーロックバスター無し、と進化に逆行しているとも言える弱体化振り。一歩づつ新たな要素を加えていって、もうこれ以上追加要素はないとは思っていたが、機能を削るというのは想定外であった。
ステージテイストは『ロックマン7』『ロックマン8』っぽい。いろいろなギミックは健在。見た目はファミコンでも中身は最新鋭機という事を実感させられる。
BGM・SEは流石は『ロックマン』シリーズ。ステージの雰囲気にばっちり合っている上、クオリティは絶妙の一言。ボス戦のとぼけた感じのBGMもこれがまた慣れると良く感じる。
そしてシリーズ伝統の、渋い難易度。無理と言う程難しくなく、簡単とはお世辞にも言えない綱渡り的難易度。これだから止められない。
その他に付け加えるなら、はしごを昇るスピードはかなり早い。『ロックマン2』よりは格段に早い。そして今回、シリーズ9作目にして初めて女性型ロボットが出現。別に女性型だからどうという事はないのだが、これも革新であろう。
ただ、ボリュームがやや少ない気がするのはまだ良いとしても、今回のワイリーとの勝負は一発勝負。即ちダミードクロがない。これはちょっとがっかりだ。

初心者から上級者まで楽しめる造りになっている。初心者は言わずもがな、信じられないような上級者のためにか、チャレンジテーマなるものが用意されている。これはゲーム中に満たすべき条件が幾つも用意されていて、条件を満たすと称号が得られるというモノ。普通にプレイするだけで手に入る称号から、ルナティックと呼ぶに相応しい称号まで、その種類と難易度には感嘆を禁じ得ない。
また、Wi-FIで全国のロックマンプレイヤーとタイムアタックで競う事も可。恐らくだが、驚愕のタイムが上位に並ぶ事であろう。
この雑感は、ダウンロードコンテンツ配布前に書かれているので、ダウンロードコンテンツについて詳細を述べる事は出来ないが、ラインナップを見る限りでは、どこまでも玄人向けの追加要素が盛り沢山のようである。
しかし、アクションゲームというのは、いやさアクションに限らずゲームというのは頑張れば出来るようになるのね。勿論限度というものがあるだろうが、クリアだけするなら不可能では決してない。
今回はショップでアイテムを交換出来るようになっており、出撃前に予め残機9機で出たり、E缶やM缶を揃えたり、便利なアイテムを準備する事ができる。勿論アイテムに頼らずプレイする事も可能だ。
『ロックマン』の楽しみ方は実に幅広い。先程言ったように単にクリアするだけなら、頑張ればそのうち出来る。あとは、例えば8大ボスにバスターだけで立ち向かってみたり、流れるような美しさを求めてステージに挑んだりと、発想次第で様々な楽しみが待っている。
「Wii持ってて良かった!」と言える……というのは少々大袈裟だが、割合良質なゲーム。基本ソフトだけならWiiポイント1000、データ量も大した事はないので、Wiiユーザーにならお薦めする次第だ。


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