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サムライエボリューション 桜国ガイスト プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


「ポケモンに似たゲーム」と評される事もあるらしい、このゲーム。
だが私の見るところによれば、類似点こそあるものの、その内実はかなり違ったゲームであるように見えた。
結論を先に言うと、ポケモンはコレクションがメイン、桜国は正統派ロールプレイング、といったような違いではないだろうか。

まず、ストーリーがしっかりしている。勿論ポケモンも筋の通ったストーリーがあるが、桜国はストーリーを核としたゲーム性に仕上がっている。
このゲーム、制作会社が今は亡き(と言っても合併したのだが)エニックス。RPGの大手だ。そう言われれば納得できるストーリー性である。
特に捻ったストーリーではないが、入り組んでいないので大変に分かりやすい。大体は、いや殆どが一本道である。私は嫌いではないが、物足りなさを感じる人もいるかもしれない。
そういう人のために、「ヒミツ」という遊びが用意されている。全部解こうとしたら厄介であるぞ。

次に戦闘。モンスターを使役(と言うのとは少し異なるのだが、この表現でも問題ない)して戦わせる、というようなシステムになっている。厳密にはモンスターをその身に融合させて、と言うべきか。しかし極論すれば同じであろう。ただモンスターがメインではなく、主人公と半々で共同戦闘のような感じ。主人公は身体を張って画面に出ずっぱり、モンスターは技・属性・レベルなどで実際の戦闘の矢面に立つ、といった具合。
まあそんな事より、レベルアップの楽しさが中心になるのではないだろうか。勿論、弱ければ先に進めないのだが、絶対性の経験値型なので、その気になれば序盤から飛ばしていける。もっといって中盤でレベル50以上とかも根性によっては可能だ。
そこまでやる意味はないのだが、それが楽しいのだ。単純作業に楽しさがある事は、共感してもらえる人も多いかと思う。

ただ、仲間にできるモンスターが少なめなのはマイナス。このゲームはポケモンに似ているところがあるとも言ったが、ストックが15体とは少ない。80……いや、せめて50は欲しかった。私のようにコレクター癖があると尚更そう思う。
ただ、それ以外には特に欠点・弱点はないように見える。良くできたゲームだと言えるだろう。
とは言うもののだ、最後の最後のあれは酷いものだったな。
正統派ロールプレイングがやりたい人、是非これをやってみると良いでしょうぞ。


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