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真・女神転生4 プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


アトラスの看板タイトル、にしては本当久し振りのナンバリングタイトルとなるのであるが、それがこの『真・女神転生4』である。
どのくらい久し振りかはさておき、中身はナンバリングを冠するに相応しいと言える出来映え。一言で言えば濃い。
まあ、良くも悪くもアトラス社は「濃い」ゲームを得意とするメーカーであるが、今作も中々の濃度である。

ストーリーは、大体新規書き起こしというか、一部『ストレンジジャーニー』の設定を受け継ぐ部分もあるものの、ほぼ独自のものとなっている。
実に精密というか、全体的バランスの良いストーリーであり、公式サイトから得れる予備知識をもってしても、全体像を予め知る事は不可能といって差し支えない。
レビューにあるまじき物言いと承知で申し上げるが、是非体験してみてほしい。そのくらいに良く出来たストーリーであるからして。

さあ、だが問題はここからである。ロールプレイングとして避けて通れない、戦闘パートに付いて述べねばならない。
今作、パッと見ての戦闘難易度がとても高い。やり尽くせばそう安易に断定出来ないモノと分かるのであるが、取っ付きにくさは今までのシリーズ中でもトップクラスであろう。
一戦一戦が相当のレベル差でもない限り、手を抜く事が許されない程のバランスとなっている。更に言うと、時には手を抜かずともツキのなさで敗北という事もあり得る。
もっと言えば、最序盤から最終盤まで一貫してこのバランスであり、ある意味では気の抜けない戦いが延々と続行する。
逆に言えば素晴らしいと言える戦闘バランスの調整度合い、ではある。これでこそ真・女神転生と喜ぶか、このバランスの前に挫けるかはプレイヤーとこのゲームの相性次第と言えよう。

さて、ストーリーと戦闘以外も良く出来ている。システム関連から登場キャラクターの個性、お馴染みの3極エンドに至るまで。
ここの辺りは毎度良く出来ている事もあり、改めて言う事も多少なんであるが、今作でもよく出来ている事に感心せざるを得ない。
強いて言うなら、バランスブレイカーになる可能性の高い一部のDLC(ダウンロードコンテンツ)は、多少の制約が掛かっても良かったのではないかと思われる程度である。

全体的にシビアなバランスのゲームである。ただそれが、凄まじいともいえる絶妙のバランスの取り方のお陰で、つらさよりも面白さを第一に感じさせる出来なのは流石の一言。
やってみると挫けそうになる事も多々あろうが、どうか挫けないでやり切ってほしいと切に願う。それはこのゲームのためだけではなく、プレイヤーの貴方のためでもあるから。
私としては、面白く、やっただけの価値があったと思えるゲームであった事、付け加えておく。


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