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タツノコ VS. CAPCOM プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


発売メーカー・カプコンお得意の対戦格闘ゲーム。
キャラクター版権ものにも見えるこのゲームだが、そこはカプコン、しっかり遊べる良質なゲームに仕上げてくれている。
いろんなキャラクターが入り混じって戦うというのは、やってて頭に楽しく目に楽しく。多彩なキャラクターからは歴史さえも感じとれる。
というか、実際に歴史の積み重ねが生み出したお祭りゲームではあるのだが。

雑感を述べるその前に、「タツノコって何?」という疑問があるかもしれない。
実は私にも詳しい事は良く分かっていない。大雑把な印象としては「アニメ製作・配給会社」というような事くらいがぼんやりとイメージ出来るくらいだ。済まない。
でも、タツノコのキャラクターについて良く知らない、或いは全く知らないでも大丈夫。ゲーム内のデータベースで解説してくれる。
これはカプコンのキャラクターに付いても言える事で、どんなゲームのキャラクターなのか知らなくとも解説してくれるので、大まかなイメージを掴む事はできるはずだ。
ただし、大きな見落としというべきか、肝心要の「タツノコって何?」「カプコンって何?」という問いに対する答えは用意されていない。恐らく、それを知っている事が前提で、それに付いて詳しく書くという観点がなかったのだろう。

システムはカプコンシステム、とでも言えるカプコン式の対戦格闘。マニュアルを見ると難しいように思えるが、実際にはボタン連打の適当操作でもなんとかならんでもない。
それに、そのうち慣れていく事が確実に出来る設定になっているとも言える。対戦格闘と言えどアクションの一種、慣れれば出来るようになる……はず。
システムは親切なのに一見すると難しそうに見えるのは、用語が横文字で無闇に長ったらしいからだと思う。あれは絶対、一種の障壁になっている。

Wii版での操作は、リモコンのみ、ヌンチャクスタイル、クラシックコントローラ、という風に対応している。私はヌンチャクで操作したので、その感想を述べてみたい。
ヌンチャクでの操作では、攻撃ボタンと必殺ボタン、そしてパートナーボタンの3つで頑張る事になる。攻撃ボタンには弱・中・強の隔てがないようだ。
しかし、操作感は悪くない、というよりも寧ろ操作し易いと言ってもいいくらい。基本操作しか出来ないが、その分やり易い。超必殺技も出し易いし。
ただ、逆に、ボタン連打+レバーガチャガチャのお子さまプレイモードになってしまう事も多々ある。画面を見ているとそうでもないが、手元を見ているとやや情けない。

弱点・欠点は特にない。世間ではWi-Fi対戦(要はネット対戦)を組み込むべきだったという声もあるようだが、私はそうは思わない。あれば良かったかな、とは思うが、なくともゲームを楽しむに不足はない。
しかし、隠しキャラクターを入れたのは、そういう手段も有りとは分かるが、あまりいただけなかったように思う。ゲーム中でコマンド表は表示出来るが、必殺・超必殺ボタンに何が対応しているか分からないからだ。
ちなみにこのゲーム、隠しキャラクターも含めデータを引き出すには、ショップでデータを購入(ゲーム内でのポイントを使用)する必要がある。

ミニゲーム。はっきりいっておまけ要素……だけでもない。3Pカラーの引き出しやゼニー(ゲーム内でのポイント)を稼ぎに使える。何より結構面白く、熱くもなれる。
ただ、拡張コントローラ(ヌンチャクとかクラシックコントローラとか、コネクタに差すもの)が付いているとゲームが出来ないという点はややマイナス。
ゲームの数は多々あるが、どれも難易度はそれほど高くないし、難しくともやり込みでなんとか出来るし、ペナルティも特にないしで安心である。

総合的にはかなり悪くないゲームなのではないだろうか。悪くないというか良いというか。
推測であるが、タツノコプロというところは元々アクション向きのアニメを制作していたのではないかと思われる。アニメを生で見た事はないけれど。
無論、アニメが先にありゲームが後にあるわけだが、そうとは思えない程格闘ゲームにばっちり馴染んでいる。
Wiiのゲームとしてだけでなく、純粋に格闘ゲームとしても高い評価を与える事が出来る。対戦格闘ゲーム好きなら是非。


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