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タイニーメタル プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


ニンテンドースイッチでのウォー・シミュレーションゲーム、それが当作『タイニーメタル』である。
配給メーカーはUNTIES(アンティーズ)なる会社。私は聞き馴染みがないと言うか、寡聞にして存じ上げなかった。
尤も、これから良くもない意味で存じ上げる事となる。それも含め、当作がどういったゲームであるか、述べていってみたい。

先ず、当作のジャンルは厳密には戦術シミュレーションとなるであろう。それが最も適切たる形容と思われる。
マップクリア式のシミュレーションであり、敵ユニットの全滅、または敵陣本営の占領で勝利条件を満たす事となる。敗北条件はその逆となる。
ストーリーを追うキャンペーンモード、1マップを選んで勝利を目指すスカーミッシュモードの2つがある。オプションも付属している。

さて、残念な現実と言わざるを得ないのであるが、本作、率直に言うと、至極ありきたりな戦術シミュレーションゲームである。
目新しさと言うもののない、どこかで見たかのようなシステムである。良く言えば王道の洗練されたシステムを踏襲しているとは言える。
逆に敢えて悪く言い換えれば、オリジナリティに欠ける二番煎じ的システムを採用している。どこがそう見えるか、と問われれば、全体的に、そうである。

当方は戦術シミュレーションはいろいろプレイしてきており、当作の中に、今までプレイしたそれと似通ったものを見出したとは言えるかもしれない。
ただ、似通った、くらいであればまだ良いのであるが、相当以上に強いレベルで既視感を感じると言う事は流石に問題と思われる。
この強い既視感を得るためにお金を出した、と思うと大変遺憾である。しかも、決してお手頃価格ではないそれをである。

ユーザーによっては面白く感じるかもしれない事まで否定はしない。しかし、ウォー・シミュレーションを好んで購入するようなユーザーが、当作を面白く感じるかはやや疑問である。
一応、これからのアップデートによって面白くなる可能性もある。何故なら、対人モードと思われるマルチプレイヤーモードが未実装(現時点で)となっているからである。
とは言え、そのくらい、実装してから発売すべきであったと思われる。戦力の漸次投入と言う戦術ミスと言えるのでは。
また、ゲームを始めるまでの起動時間が地味に長いのもストレスとなるかも。我慢出来ないほどではないものの、逆に言えば我慢が必要になる程度と言える。
なんと言うか、勿体ないゲームである。素質と言うか、面白味の素養はありそうなだけに、化ける何かが欲しかったところと言えよう。


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