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3Dクラシックス ツインビー プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


過去のシリーズを3D化して復刻するこのシリーズ、今回の題材はシューティングゲーム『ツインビー』である。
内容は単純かつ真っ当なシューティングゲーム。個人的には『ゼビウス』より面白かった気がする。
以下にその良かった点と良くなかった点を述べていってみようと思う。

まず、これはシューティングだけの面白さでもあるまいが、どれだけスコアを稼げるか、という点がユーザーの心をくすぐるかと。
特定の雲を撃つとベルが出てくる。このベル、パワーアップのためのアイテムと見がちであるが、実は美味しいスコア稼ぎオブジェクトである。
初めは取っても100点に過ぎないが、連続で取ると獲得スコアは倍々になっていく。どこまで倍率を伸ばしつつ延々ベルをゲット出来るか、腕の見せ所である。
言うまでもないがベルだけに関わっていられるようなゲームでは決してない。敵の砲火はそんな悠長な事を簡単に許してはくれない。
ベルを1つでも落とせば、獲得スコアは100点からやり直し。そういった緊張感が中々面白い。

キャラクターのユーモラスさも魅力の1つではあろう。独自の世界観というか、一種の珍妙不可思議さとでもいうべき何かがある。
強いて言葉にするとしたらば、「ツインビー世界」とでもいうべきものの確立に成功している。大したものである。
あとは自キャラクターのパワーアップ方法を自分で選べる、という点が見るべきところか。当たり前のようにも見えるものの、逆に見れば斬新であったかもしれない。
まあ、選べると簡単に言えはするものの、実際にはいろいろな敵に阻まれがちでそう簡単に思うようにパワーアップ出来ない、というのもまた面白い。

さて、これだけ述べてくると、中々良いゲームにも思えるであろうけれど、そうは問屋がおろしてくれないのが世の常。良くない点を述べていってみようか。
実はこのゲーム、終わりがない。5ステージを1セットとして、それがエンドレスで続く。幾らなんでもだれてしまう、少なくとも私は。
ここら辺がやはり旧世代どころではないゲームの限界であるか。切りのいいところで切り上げてほしかった。
あと3DSの3D画面の、あまり大きくもない画面の、その上で繰り広げられるシューティングであるからして、目が痛くなってしまうのもちょっと痛いか。

総合的にはプラスマイナスゼロ、といった感じのゲームとなっている。単に復刻するだけじゃなく何か足せば良かったのに。
しかしこれも、旧世代どころじゃないものの再現、と好意的に見ることも出来るし、一括して悪いところ、とみなす事が出来ないのもまた事実。
ちょっと楽しむ、という類のゲームではないものの、腰を据えてやるならば中々のゲームなのではないであろうか。


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