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レッスルエンジェルス サバイバー2 プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


はっきり言って超大作でも超名作でもないというのに、現在(2011年6月当時)、プレミア価格が付いて売り出されている作品が、この『レッスルエンジェルス サバイバー2』である。
『2』とあるからには一応『1』もあるが、そもそも『1』も『2』も別段有名ではない。知る人ぞ知る、と言えば聞こえは良いものの、言わばマイナーでニッチな作品と言えよう。
ちなみに私が何故にこのゲームに着目したかと言うと、面白そうな、メジャーでないゲームを探していたら、これに突き当たったというだけである。
着目した当時はまだプレミア価格が付いておらず、売値は3000後半台であったというのに、気が付いてみれば割引なしのプレミア価格でこの作品を購入してしまった。
その値段、なんと9000。プレミア付きとして見れば良心的とも言えるが、一般的なゲームソフトの値段の相場からしてみれば「ご冗談でしょう、ファインマンさん?」と言いたくなる価格である。

さて、そのゲームの中身は如何なるものなのか大雑把に説明すると、育成・経営・バトルシミュレーションゲームである。
オリジナリティは結構あるが、敢えて類似のモノを探すとすれば『ウイニングポスト』が挙げれるのではないだろうか。あれも育成・経営・バトルであるし。
しかし、育成の面に限って言えば『ウイニングポスト』よりも『信長の野望』に近いかもしれない。『ウイニングポスト』だと、ダメなキャラクターはどんなに頑張ってもダメであるからである。
その点、『信長の野望』なら、ある程度ダメなキャラクターでも、育成次第ではそこそこ活躍出来る。あくまで「そこそこ」というところも、このゲームと似通ったところがある。

タイトルから推察できると思うが、舞台は女子プロレスリングの世界である。プレイヤーは女子プロ団体の社長となり、団体を経営していく。
このゲームが『ウイニングポスト』に似ているもう1つの点として、目標がない、という点が挙げれる。目標が全くないわけではないが、便宜上定められている、といった感じに過ぎない。
やるべき事は簡単である。お抱えの選手たちを鍛え上げ、団体を大きくし、試合で勝利を重ねる、という事を只管繰り返すのである。
途中でだれないように、いろいろなイベントも挿まれる。こんなところまで『ウイニングポスト』に似ているが、これは決してパクられたわけではなく、そういう風に出来てしまった、と見た方が自然であろう。

このゲームが『ウイニングポスト』と異なる最大の点、それは育成対象が人間の女子という点である。当たり前と言えば当たり前であるが。
様々なタイプのキャラクターが揃っており、それぞれ個性を持っている。これも当たり前のように思えるが、総勢242人の個性を表現するのは大変であったろう。
ここで言う「個性」とは性格とかも含むが、能力資質や成長の度合いといった性能もまた意味する。特に育成可能キャラクター・タイプBは資質がランダムで決まるらしく、タイプAとは全く別個のキャラクターになる事も
キャラクターはそれぞれが個性に応じて魅力的であり、育成のかいを底上げしている。アイドル系から男前系、ロリ系、姉御系、ヒール系とほぼなんでもござれである。

先程からコーエー系のゲームに比喩する表現がやたら出てくるような気がするが、これは純粋に類似するものがあるからに過ぎない。
ついでにもう一つ『ウイニングポスト』に近い概念として、秘書の存在が挙げれる。全然目立たない点においては『ウイニングポスト』に及ばないが、しっかりと存在感はある。
秘書のアドバイスは地味ながら結構有用なので聞き流さないようにしたい。特にタイプBのキャラクターの採用時にはそのキャラクターの素質を見抜く鍵ともなるのでしっかり聞いておくように。
ちなみに彼女の名前は「井上霧子」である。覚える必要性は特にないものの、秘書秘書と呼ぶだけなのは多少哀れであるからして。

弱点・欠点は特にないと思われる。強いて言うならイベントで出る一枚絵とイベント自体が際どく刺激過多のような気が。
また、多数のバグを内包しているらしい、のであるが、実際にプレイしてみたところでは「バグに突き当たった」という実感が殆どなかった、故に感じれるレベルのバグは無いと思っても良いであろう。
付け加えるなら、エンディングはあっても終わりがないのが人によっては不快かも。だが今時、そういったゲームは別段異形でもないし。
と、まあ、マニアックでニッチな作品ではあるが、ゲーム的価値観から見れば良作と言える作品であろう。プレミア価格には納得出来ないものの、入手出来るなら損はしないレベルである。
もう一度言うが、やはりこのゲームにプレミア価格が付いているのは納得がいかない。それさえなければ、もっとこのゲームを胸を張って推薦する事が出来たのであるが。


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