ＡＤＫという会社が制作した、ワールドヒーローズシリーズ最終作、それがこれ『ワールドヒーローズパーフェクト』である。
ちなみに『１』、『２』、『ＪＥＴ』、『パーフェクト』の順でつながっている。何故かは分からないが、バーチャルコンソールでは『１』の次に『パーフェクト』が出ているようである。
『１』から順に連続して出さないと、キャラクターの背景やらシリーズの変遷が分からないと思われるのであるが……一体何があったのであろうか。
余談であるが、私はシリーズ全部所持している。ただしネオジオＣＤ版ではあるものの。
さて、『１』の続編がいきなり最終作の『パーフェクト』となってしまったバーチャルコンソールではあるが、それ程に大問題が横たわっているいうわけでもない。
まあ無問題というわけでもなく、先に述べたように作品背景がさっぱり分からない程度である。問題ではあるが大問題という程でもあるまい。
それを抜かせば、対戦格闘モノというジャンルは変わっていないので安心……かもしれない。
公式サイトやオンラインマニュアルで大雑把な作品背景が紹介されているので、その辺りは省略させてもらう。
「ゼウス」は『ＪＥＴ』のラスボス、「ネオ・ディオ」は『２』のラスボス、という事が分かっていれば問題はないだろうか。
この一番大事と思われる部分の説明が省かれているのが納得いかない。『２』と『ＪＥＴ』を飛ばしての『パーフェクト』なのだから、そこの説明はネタバレになっても欲しかった。
対戦格闘モノとしては、実に尋常な出来と言えよう。それ以外の面白いところとして目に付くのが、体力ゲージ下に表示される「字幕」である。
字幕と言っても、キャラクターの発する音声とは違う事を言っている。心の声とでも言うのが正しいか。キャラクターの個性を良く表している。
多少大仰な表現をすれば、『戦国BASARA』などのアクションモノで表示される字幕のはしりが、ＡＤＫの作ったこのシステムではないであろうか、と思っている。
古めかしさは流石に拭いきれないものの、中々良質の対戦格闘ゲーム。プレイしていて充分面白い。
それだけに、言っても詮無き事ながら、何故にシリーズの順々を踏まえて出してくれなかったのであろう。これではとっつきにくさが入ってしまう。
『１』と『パーフェクト』ではかなり異なるゲームになっているのにである。ぶっちゃけた話、この２つを同一に見なす事自体難しい。どうせなら『１』より先に『パーフェクト』を出すべきであった。
それを除けば、『パーフェクト』をプレイ出来る事は喜ばしい。他人にもお薦め出来るレベルの良作であるからして。