戻る


ゾンビ イン ワンダーランド プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


お伽話をモチーフとして制作されたらしい、銃火と破壊のアクションゲーム。
海外はスペインのゲーム開発会社・AkaoniStudioが開発した洋ゲー、という触れ込みであるのだが、良くも悪くもそのような空気は全く感じとれない。
まず洋ゲーには見えないし、海外という感じじゃないし、更に言うとスペインという感じもしない。そもそも「スペインらしさ」とは何か、と言われても分からないしなあ。
強いて言えば……海外は海外でも寧ろスラブとかっぽい気がするような。でもスラブにゾンビなんていたっけか。

基本的にはステージクリア型のアクションゲーム。制限時間内に敵排除率100%を達成すればステージクリア。
残弾無限のマシンガンを基本として、様々な火器を駆使して敵を撃退していく。主な敵は勿論ゾンビだ。
Wiiリモコンでターゲットに照準を合わせ、Bボタンで火器掃射。プレイヤーの移動・緊急回避はヌンチャクで行う。敵の攻撃で残機がなくなるか、タイムアウトでゲームオーバー。
操作そのものは平易。ただ多少、照準合わせが思うようにならない時があるだろうか。

ゲームはストーリーをなぞるお伽噺モードと、その各ステージを選択してプレイ出来るアーケードモードの2つ。
ストーリーの大筋は割合真面目である。何やら良く分からん雰囲気ではあるものの。ストーリーを進める事で使用可能キャラクターが増えていく。
プレイごとにハイスコアが残される、ゲームオーバーになるかクリアする時まで。記録に難易度は影響しない模様である。
難易度選択は「ふつう」と「むずかしい」の2種から選択可能。「ふつう」に物足りなくなったなら「むずかしい」を選ぶとよかろう。この手のゲームは慣れてしまうと兎角だるい。その意味で「むずかしい」があって「やさしい」がない事は理解出来る。尤も、だるくなる程度のステージは事実上ないとも言えるのであるが。

ストーリーやら世界設定やらはともかく、アクションゲームとしては極めて真面目に作られている。少なくとも火器をぶっ放すだけのゲームではない。
基本はプレイしていく事で敵の配置・攻撃・パターン・タイミングなどを覚えて対処していく記憶型ゲームである。アクションの王道とも言えよう。
どの敵がどのタイミングでどういう風に現れるかは定まっており、それに確実に応えることが求められる一種の作業ゲーム。
無論の事、記憶力だけでなんとかなる類のゲームでもない。更に言うと記憶で爽快感が薄れる事もないだろう。

欠点は特にないと思われる。弱点は……ストーリーモードが全キャラクター一括で扱われてしまうところとか、キャラ固有のアクションや火器がないところとか、得られるアイテム類の咄嗟の判別が難しく効果も分かりづらいところとかか。
「なんで敵がゾンビ?」「どうしてお伽話のキャラが銃撃ってるの?」「いろんな意味で無理なくない?」などといった突っ込みどころには目をつぶられよ。そういうゲームなのだと理解せよ。
ゲームとしての面白さもさることながら、Wiiというハードウェア、及びWiiリモコンというコントローラを上手く活用しているという点でも評価に値する。
バランスを調和させた良いゲームであり、まさに「ゲームに国境はない」というフレーズを良く表すゲームと言えよう。


戻る