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牧場物語 やすらぎの樹 プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


生活シミュレーションゲーム。主にやる事は農家・酪農家・畜産家の3柱である。他にも林業もどきや漁業の真似事やその他諸々の仕事をやったりする事もある。
早い話が、まったりとした田舎暮し生活を送る事を目的としたゲームである。
ただしやる事は、やろうと思えば幾らでもあり、全部こなそうと思ったら到底時間が足りなくなるくらいのボリュームを誇っている。中盤当たりからこの傾向は顕著になり、一日の密度が非常に濃くなる事も多々。まったりした生活などとは無縁の大回転を余儀なくされる事も。
まあ、その辺りの調整も自分でできるので、仕事を自分で減らせばその分楽にはなる。ただやりごたえは減るかも。

明確な目的というか、一応のゲームクリア目的は、居住する島“ワッフル島”の女神復活である。
勿論、この目的は簡単には達成されないようにはなっている。ただしそこへと至る道が分かっていれば、至難という程でもない程の難易度である。
具体的には必要なアイテムを揃え、女神の使い・5体のコロポックルに渡せば良い。ただ、アイテム集めに苦労するようになっている。一部のアイテムは自作しなければならないため、作り方が分からないといつまで経っても進めないなんて事も。
コロポックルの要求に応える度に島は息を吹き返し始め、徐々に島本来の活気を取り戻していく。住人も増えたり、新しい店が開いたりするようになる。まさに、情けは人のためならずである。

ただ、別に女神の復活は絶対的な目標ではなく、放っておいても重大な問題にはならない。確かに島の活性化は進まなくなってしまうが、まったりした生活は充分送れるように設計されている。
このゲームに「必須の仕事」はない。総ての活動においてそうである。良く言えば自由度が高く、悪く言えば放任この上ない設計である。
さっきも言ったようにボリュームは相当のモノがあるので、全力で楽しめば退屈とは無縁、寧ろ退屈が懐かしく思える程の生活を送る事もできる。
心配なのは、あまりに回転し過ぎて、息切れを起こしてしまいかねないというそれだけだ。しかしこのリスクはかなりの現実味を帯びているので要注意。

セーブは自宅で行う。いつでもできるが自宅でしか行えないところがやや厄介。
鉱山の奥深くや離れ小島に遠征していると、どうしても時間が掛かってしまう。ある程度まとまった時間が必要になるゲームだ。
一日も結構長く、また移動にも時間が掛かるため、効率を考えるとわざわざ家に戻るというのは現実的でない。
中断セーブができれば良かったのだがと思わなくもない。それを除けば特にこれといった弱点はないであろう。

責任感が強かったり、完璧主義者にはあまり向いていないゲームかもしれない。何故ならそういう人は仕事を抱え込んでしまうからだ。
繰り返すが、このゲームにおける仕事の量は半端ではない。全部やろうとすると絶対に息切れする。結果、疲れてしまう事は疑いない。
寧ろ、いい加減だったり、適当だったりする人の方がこのゲームを楽しめるのではないか。あとゲームをゲームと割り切る事のできる人が向いているかもしれない。
善くも悪くもたかがゲームであり、必死になってやってると損をするであろう。


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