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ダンジョンメーカー 魔法のシャベルと小さな勇者 プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


「喋るシャベル」……貴様、そのギャグがやりたくて仕方がなかったなッ!
戯事はさておき、なかなか面白いゲーム。ただジャンルが何になるのかよく分からない。多分RPGだとは思うんだが、アドベンチャーの要素も含んでいるようだし、シミュレーションのようでもある。
その奥深さはかなりのもので、極めようと思ったら手間になるだろう。

ダンジョンを造って魔物をおびき出し、倒した魔物から戦利品を得るというのが基本スタイル。
魔物が何を落とすかはランダムなので手間は掛かるが、種類はそんなにないので確率にもよるが大体のモノは揃うだろう。
ダンジョンの中に造る施設で、どんな魔物がくるかがある程度決まる。同じ魔物でも階ごとに違う施設で来る事もあり、一様にこれこれがこう、とは言いかねる。

ストーリーは適齢期に仕事に就けなかった少年が成り行きでダンジョンメーカーになったものの、そのうちダンジョンメーカーという仕事に誇りを持ってゆく姿を描いたもの。
コミカルなタッチの魔物が多いゲームだが、ストーリーはかなりシリアスだ。
村の住人は主人公も含め個性がはっきりしており、面白い連中ばかり。成金村長の拝金主義すらも愛おしく感じてくるから不思議だ。
だが一番の面白キャラクターはやはり、喋る魔法のシャベルだろう。彼(?)なくしてこのゲームは成り立たない程に重要な役割のくせして、その個性は頭抜けて面白い。

手に入るモノが沢山あり、コレクターならその収集心をくすぐられる事間違いなし。
手に入れたモノは図鑑に載る。他にも遭った敵などの図鑑もあるので、今自分がどのくらいまできているのかすぐ分かる。
ただ図鑑を全部埋めようと思ったら一苦労する事必定。半端な覚悟ではできないので、根性据えていきたい。
また、一部の魔物は図鑑に載らない。ここら辺が少し詰めの甘さを感じる。もっと徹底してほしかった。

弱点としては時間が掛かる事か。サクッとやる類のゲームではない。腰を据えてある程度の時間を取り、よく考えて挑む必要のあるゲームである。
戦闘もそれなりに時間が掛かる。演出が長めという事もあるが、どれから倒すべきかに頭を使う事も一因と思われる。
それと、限りなくバグに近いエラーが発生する怖れがあるので、村の各施設には用がなくともちょくちょく寄っておこう。

些かかったるさがあるが、中々面白い良質なゲーム。
地下10回で一区切り付くので、まずはそこを目標に頑張っていきたい。
幅広い年齢層に向けられたゲームだと思う。貴方が幾つであれ、やってみるのも良いかもしれない。


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