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ディスガイアD2 プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


日本一ソフトウェア社の看板タイトル『ディスガイア』の、『1』の続編が発売された。それがこの『ディスガイアD2』である。
続編というか、多少ややこしいのであるが、『1』の世界のその後を描いた『ディスガイア』が『D2』という事であり、単純な『2』というものではない。
言うまでもないが、リメイクとかそういったものでもなく完全新作であって、『D2』と『2』との間に関連性はないので注意が必要。

さて、キャラクターとかストーリーとか、そういったものは『ディスガイア』の世界にとってはおまけのようなものに過ぎないので割愛する。
要となるのはいつだってシステム関連である。今作のシステムを大雑把に述べるなら、「ライトユーザーにぐぐっと近付いた」という事が言えると思われる。
『D2』が2013年3月19日に発売してから大体一月半くらい。まだシステム部分の解明は完全ではないものの、まず確定している事として、それが言える。

では、どの辺りがライトユーザーに近付いたのか。それは「やり込み度合いがマイルドになった」、という事が一番に挙げれる。
それまでの『ディスガイア』と言えば、「深遠そう」「敷居が高そう」「いろいろ面倒そう」……等々、簡単に言えばライトユーザーなど見ていない傾向があったのではないであろうか。
しかし今作は違う。大体総てに関して煩雑さを取り除き敷居を低くする事を実行している。それは例えば「チート屋」に代表されるように、やり易くなった傾向が多々見受けられる。
無論、ゲームスタート時からそうであると言うわけではないが、少し進行させるだけでも今までとは違うという感触が実感で得れた。
ただ、私は『4』の煩雑さを知っているから、比較してこういう感想が出るけれども、仮に『D2』から始めたユーザーからしても、このやり易さは好感触を得れるであろう。

話は多少逸れるが、ユーザーとはヘヴィユーザーかライトユーザーか、と、単純に2つに分ける事は出来ないと思われる。
その2つの間に、かなりの幅広さをもって、ミドルユーザーとでも言うべき多数が存在する。
『ディスガイア』で言うなら、レベル上げは好きであるがやり込むほどに好きではない、と言ったような感じのプレイヤーである。
実を言うと、私などもそこに属するようなユーザーにあたるのではないであろうか、と思っている。言い換えれば限度を知っていると言えるし、或いは根性無しとも言える。
私見によれば『D2』は、そのミドルユーザーに最も適した改変が施されているように見える。ライトユーザーに近付くとは、そういった意味も含んでいる。

ただ、言うまでもない事ではあるが、ライトユーザーに近付いたからといって、『ディスガイア』の本質までが変わった、と言うことは全くない。
根本的には、今までのシリーズと同じく、悪魔的やり込みゲームである。確かにやり易くはなった。しかし道は今までと同じく遠い。
とはいえ、今までと比べれば、育成システムは大幅に改変されている。これに付いては幅広いユーザーから賛否両論あるが、個人的には賛同する。

新規ユーザーにとっては、この『D2』は好ましいものと思われる。忠告すべき点は、奥深い事に留意すべし、という事くらいしかない。
旧作体験者、及び古参ユーザーにとっても、特に忠告すべき点はないと思われる。今までのシステムで出来たのならば、今作で出来ないはずはない。
強いて古参ユーザーに忠告するなら、今作は育成の中心点がアイテムからキャラクターへとシフトしている点に留意すべし、とは言えよう。
詳しくはウェブの攻略サイトを参照してもらうこととなるが、ありのままに言うと、今作ではアイテムを鍛えるよりはキャラクターを鍛え上げた方が究極的には強くなる。
つまり、主がキャラクターであり従がアイテムである。アイテムが無価値になったわけではないが、少なくとも『4』とは真逆になっている事に注意。

……と、まあ、いろいろと述べてきたが、今までと比べて改良された、と言える出来なのではないであろうか。
私はあまり「改良」という言葉を使いたくはない性質であるが、今作の変更に関して言えば、素直に「改良」と言った方が良いと思われる。
大分とっつき易くなっての新作登場であり、新規ユーザーは勿論の事、今までで挫折を味わったユーザーに特にお薦めである。


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