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アイドルマスター プラチナスターズ プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


良く言えば脈々と受け継がれる『アイドルマスター』シリーズの、一応の最新作、それが当作『プラチナスターズ』である。
実を言うと、このゲームのレビューは、所謂DLCが完全に出揃うまでは執筆しないつもりであった。しかし理由があり、現在の事態に至る次第である。
その理由は後述する。先ずはこのゲームに関する概要を述べていってみたい。

PS4で発売された当作は、かなりの本格的リズムゲームとして作成されている。前作『ワンフォーオール』ではあったコミュニケート関連のイベントなどは、ほぼ削除されている。
中核はリズムゲームであり、それにキャラクター育成、更に若干のコレクション要素が加わっているような感覚と言える。
なお、大まかなストーリーとしては、プレイヤーがアイドルのプロデューサーとなる、と言う一言で事足りると思われる。無論ここが中心部分であるからして、当然とは言えよう。

さて、プロデューサー、即ちプレイヤーのやるべき事としては、担当アイドルを一流へ押し上げる事が最終目標となるわけである、が。
ここの部分に今作最大の問題点が横たわっている。簡潔に言うと、プレイヤーのリズムゲームの手腕でその限界が決まるからである。
今作は、例えば前作『ワンフォーオール』のように、ある程度の腕前があればゲームもクリア出来る、と言う類のゲームではない。リズムゲームの高度な腕前が必須となる。
更に言うなら、リズムゲーム自体も、高難易度になると半端なレベルでは済まされない。しかも、トップアイドルへと導くためには、どうしても高難易度を突破しなければならない。
故に、リズムゲームに付いていく事が出来なければ、自ずとアイドルの出世と言うか、限界も定まってしまう。真の意味でリズムゲームなのである。

この時点でゲームとしては、コアなゲーマー、ヘヴィな向きを求めるユーザーへのモノとなってしまっており、生温いファンは脱落してしまう事であろう。
要は間口が狭いのである。厳密には序盤程度ならなんとかならなくもないが、逆になんとかなるのは序盤程度でしかない。
無論、高難易度を1回突破すればそれで済む、などと言う筈もなく、繰り返し繰り返しその難易度でのクリアを求められる。最早ゲームを超えて修練・苦行である。

リズムゲームとしての印象があまりに強すぎて他が霞みがちであるが、良い部分もそれなりには存在する。前作にあった不明瞭なコミュニケートイベントの廃止は、個人的には好ましい。
また、ビジュアル面、サウンド面の完成度が非常に高い。1ステージをプロデュースするモードなどは、工夫性などのクリエイティブな意味でプレイヤーの手腕が求められる。
しかしながら、何故にこうも熾烈なリズムゲームにしてしまったのか。そこだけで殆ど総てが台無しであろう。遺憾ながら、次回作に期待である。


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