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女子高ダッシュ プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


かの甲南電機製作所から発表された新作ゲーム、それがこの『女子高ダッシュ』である。
ジャンルは、大体シミュレーションとアクションを足して2で割ったかのような感じ。一言で説明しようとすると違和感が発生する類である。
このゲームを表すのに近いジャンルとしては、競走馬育成シミュレーションが最も近いのではないであろうか。無論、育てるべきはタイトル通り、女子高生なのであるが。

システムというか、ルールは簡素。1人の女子を3年間育成するのである。1ヶ月を1ターンとするので、1人あたり36ターンの時間が与えられる。
その間に、適切なレースに出走させたり、トレーニングをさせたりする。極言してしまえばそれだけのゲームではある。
更に言うと、終わりらしき終わりがない。育成が只管延々と続けられる。故に、競走馬育成ゲームに近いのでは、と言った次第である。

トレーニングの種類は基本的には4つ。キャラクターの能力パラメータも4つ。即ち、スピード・スタミナ・瞬発力・根性の4種である。
これに、HPを表すであろう体力とか、成長限界を表すであろう素質とかいったモノがあると類推される。なお、総てのパラメータはマスクパラメータである。
トレーニングにはアクション要素が取り入れられており、タッチペンでの操作で適当に良い結果を目指す。感覚的にはリズムアクションに近い。
レースは基本的にセミオート。4種の戦法(逃げ・先行・差し・追込)から1つを選ぶ。レース中には1回だけ加速チャンスのブーストの機会が与えられる。
レースに勝つとポイントを獲得出来、レースによってはパラメータプラス効果のあるアイテムゲットが可能。ポイントは貯めれば貯めるほど良い事があるもよう。
キャラクターは卒業後、その総てのデータをパスワードとして残す事が出来る。これにより、歴代卒業生、そして他ユーザーの育てたキャラクターとのレースバトルも出来る。

……と、まあ本当に、内容を書き連ねるほどに、競走馬育成ゲームのような女子高生育成ゲームである。
しかしこの500ポイントでしかないダウンロードゲームは、下手な競走馬育成ゲームよりもハマりかねない脅威を持っているのである。
特に『ダービースタリオン』系や『ウイニングポスト』系のゲームが好きだったユーザーは要警戒であろう。うっかりすると十数時間、下手を打てば数十時間はもっていかれるかもしれない。

弱点としては、キャラクターに名前を付ける際に、漢字が使えないというのがやや残念。確かに重要ではないのかもしれないが。
それと、多少画面の使い方が上手くないのでは。トレーニングにしろレースにしろ、見るべきところは画面の極一部分だけであるからして。
それを除けば、幅広い層にお薦め出来る良作。さすがというべきであろう。ところで3DSでのダウンロードゲーム発信はまだであろうか?


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