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ダウンタウンスペシャル くにおくんの時代劇だよ全員集合! プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


1991年製のファミコン産ゲーム。しかしながらそんなに古さを感じさせない造りになっている。
画面全体を使ったマップ、勢いのあるBGM、入力にしっかり応えてくれるキャラクター、……といった風に。
画面内にキャラクターやモノが多くなった時に多少処理落ちする事がまずいかもしれないが、大した事でもあるまい。これはPS2のゲームでもしばしばある事なのだから。
ただ1つだけどうしようもフォロー出来ない点としては、タイトル画面に相当するものが貧弱この上ない。その分中身に懸けているというのはちと好意的な解釈になってしまう。

ストーリーはちゃんとしたものがあるが、基本的には一本道であり単純。敵・NPCとの会話は字幕で行われる。
このゲームの肝であるアクション部分も、基本的には殴り合いであり、戦法などを考える必要性はあるものの、ある意味単純と言えるかもしれない。
そんな殴り合いに華を持たせてくれるのが敵の発するメッセージ。殴り合い世界の中で面白メッセージを見たりすると心が癒されるような気がしなくもない。
ちなみに敵のボスもメッセージを発するが、この口上を最後まで見て相手が動き出してから戦闘するくらいの心の余裕は欲しい。口上が終わる前に襲い掛かる事もできる、正しく先手必勝だが、これではどちらが悪党か分からない。
余談だが、このゲームは、少々焦れったくとも、会話スピードを「ふつう」にしておく事をお薦めする。なぜなら稀に出る選択肢の時、戦闘中だったりするとボタン連打でうっかり変な選択肢を選んでしまいかねないからだ。

戦闘をこなしていくとレベルアップする。しかし今のレベルというのが数値では表示されない。パラメータで大体の強さを見ていくしかない。
パラメータの増加は増加設定を割り振る事で偏りを出す事が出来る。「偏り」と言うと悪い感じだが、パラメータを一部に特化させれる事は戦法上有効だ。
また、パラメータを増加させる装備アイテムも店で売っている。これは都市部の万屋で扱っているが、もっと劇的な効果を持つものは各マップの「なぞのみせ」で扱っている。
「なぞのみせ」というが、店が謎なのではなく店の場所が謎なだけである。分かりにくい場所にある他は極普通の店だ。レベルがあり、それぞれに特殊なアイテムを取り扱っている。
あとは食べ物屋や宿屋、賭場などがある。一番お世話になるのは体力・気力を全回復させてくれる宿屋だろう。

難易度設定も出来、最高難易度にすると敵が恐ろしくパラメータアップする。しかしながら相手の戦法などは特に変化しない。あくまでパラメータに変化が出るだけだ。
とはいえ、一発殴られると凄いダメージを喰らう事もあり、最高難易度だけの事はあると実感させてくれる。
逆に最低難易度だと、殴り合いの面白味が全くと言っていい程になくなるが、ストーリーを追うだけならそれも良いかもしれない。ただしゲームの面白さをスポイルするかもしれないので、余りお薦めは出来ない。

その他には……BGMが良い。数はあまり多くはないものの、各地方ごとにノリの良いBGMが雰囲気を盛り上げる。
また効果音もちゃんとしている。音がアクションにきっちり合っているといった感じだ。
あとこれはちょっとした事ながら、濁音と半濁音の区別がきっちり付いているのが好ましい。小さい文字だと兎角「゛」と「゜」の区別は付きづらい。その点このゲームは合格だ。

一応、「くにおくん」というシリーズモノの1つであるらしいが、このゲームからいきなり入ってもなんら問題はないと思われる。
全体的に良く出来たゲームだが、中身に総力を注ぎ込んだ結果、些かオープニングやエンディングなどの部分が弱いかと。
だがまあ、ゲームを楽しむのには差し支えないし、力の配分的には間違った事をしていないだろう。合格点をあげられる。
ちょっと憂さ晴らしする分にはちょうど良いゲーム。500Wiiポイントに正しく見合ったゲームであろう。


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