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迷宮塔路レガシスタ プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


ある意味では悪名高い、日本一ソフトウェア社の出した新作・アクション・ロールプレイング・やり込みゲーム、それがこの『迷宮塔路レガシスタ』である。
今更ではあるが、日本一ソフトウェア社は、ユーザーの時間を略奪する類のゲームしか作成出来ないのであろうか。恐らくはそうであろう、まさに今更であるが。
フォローしておくと、どのようなゲームも大なり小なり時間を喰らうものである。しかし日本一ソフトウェア社は、基本的にやり込み特化のゲームを作る傾向がある。
その結果、プレイ時間が100時間突破程度は当たり前、というゲームが次々に出現する、という事態が発生してしかも連続する。どうかしている。
しかしながら、懲りずにそれに引っ掛かるユーザーもどうかしているのであろう。かく言う私もその一員である。

ストーリーは、基本的にはどうでもよいと思われる。無論ストーリーはあるにはある。しかし申し訳ない事に、私はそのことごとくをスキップしてしまった故、詳細に付いて感知していない。
逆に言えば、ストーリー性がゼロでも成立する類のゲームとも言える。とはいえ、ストーリーがある事を否定するわけではなく、寧ろストーリーはあった方が良い、とは思ってはいる。
それはさておき、これは系統こそ異なるものの、同社の『ディスガイア』系にも共通する性質であり、日本一ソフトウェア社のお家芸とも言える特色である。
その意味で、やはりこのゲームはやり込み系のゲームであり、『ディスガイア』と一脈通じる日本一ソフトウェア社のゲームそのものとも言えよう。

ゲーム内容としては、まず2Dアクション。雰囲気的には、他社開発の『不思議のダンジョン』系に通じるものがあるように感じられる。
一部のダンジョンは異なるものの、基本的にランダム生成のダンジョン(通称ランジョン)、敷き詰められた罠や敵の群れ、転がるアイテム群、などなど、『不思議のダンジョン』っぽい。
まあ、「雰囲気的に似ている」程度の相似であり、これを「パクった」というのは酷であろう。寧ろ先人が偉大であったのである。
システム面はかなり独自色を出しており、割合面白めのシステムを組み上げる事に成功している。しかしこのシステムを言葉で説明し尽くすのは難しい、と言うよりは七面倒。
更に言うと、言葉で説明し尽くしてもまだ分からない部分が存在すると思われる。結局は、体感して理解するしかないシステムと言えば差し支えない。

どちらかと言えば、スピーディなアクションゲームである。ただ、考えなしに只管突撃しても死ぬだけのゲームでもある。
自分の戦闘スタイルを確立し、自分に適切な装備を用意し、自分に見合ったレベルのダンジョンを探索し、引き際を見極める必要性がある。
低レベルなうちはそれに見合ったプレイが、高レベルに達すればそれに見合ったプレイが求められる。頭脳プレイとスリルに関しては中々のものがあると言えよう。
言い換えれば、短い時間でちょっと暴れる、といった風なゲームではないため、人を選ぶという事もまた確かである。

弱点・欠点は特に見当たらない。強いて言うなら、キャラクターエディットで使えるキャラクターデザインがもっと多ければ良かったであろう。
ドットからデザイン出来るようになっている、というのは全くもってユーザーフレンドリーではない。実際はその真逆であり、デザインセンスがなければ無理としか言えない。
やり込む事が前提なのは良いのであるが、もっと、非ユニークキャラクターのテンプレートを多彩にしてほしかった。やる意志があれば出来たはずである。
ここまで読み返すと敷居の高そうなゲームにも読めるが、実際にはチュートリアルが親切であり、迷いを生じないゲームとしてデザインされている。決して敷居は高すぎない。
こういうゲームにこそ体験版が必要であった。何故なら体験こそが最も適切な広告と思われるからである。しかし現実に体験版はないので、この文章が判断の一因となれば幸いである。


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