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大繁盛! まんぷくマルシェ プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


所謂インディーズゲームに属すると思われる、敢えて言うなら小粒のゲームが当作『大繁盛! まんぷくマルシェ』である。
マルシェと言う言葉から商売・経営系のゲームが推測されると思われるが、実際にはマルシェと言う感は然程なく、商売・経営系とも違う印象がある。
配信元はフライハイワークス。製作はまた違う会社が実行したようである。

ストーリーと言うか、大まかなバックボーンとしては、偉い人が拵えた借金を寂れた広場を使って返していく、と言った按配。
ゲーム内容は、簡潔に略して言うと、食材を集めて料理を作って人に売り捌く、と言う流れになる。
プレイヤーは最大で6名のコックと店舗を統率する司令となり、お金を少しずつ稼いでいく、と言う役割を持つ。

ゲームの傾向としては、サクサク進展すると言うか、露骨に形容するとユルユルである。少なくとも難易度的には。
真面目にプレイしていれば進展に苦労する事はまずないし、必要なのは時間だけ、と言っても過言ではない。
このゲームはプレイしていない間にも進行処理が行われるらしく、ある程度準備を整えれば、一日あたりのプレイ実行時間が短くても問題ない。
尤も、初期状態から楽々と言うわけではなく、若干の工夫は求められる。しかし、逆に言ってしまうと若干の工夫でなんとかなってしまう。
故に、このゲームを経営系ゲームと見る事自体誤りであり、実際にはアドベンチャーゲーム、または雰囲気ゲームと見るべきと思われる。

と、まあ、ゲーム性を求めて当作をプレイすると、いろいろガッカリしてしまう、と言う残念な事態に陥る事も予測される。
無論作り手も随所にゲーム性を込めた痕跡が見受けれるのであるが、ユーザーが求めるそれと噛み合わない傾向が見られるのが無念至極。
テキストアドベンチャーゲームとして見れば、登場人物、及びストーリーはまずまずのそれと言えるのであるが。

システム系の緩さをもう少し引き締める事が出来ていれば、難易度こそ上昇したであろうが、もう少し遊ぶに堪えるものになったのではないか。
自ら購入を決断したゲームにこう言った事を述べるのは悔しいが、現システムはゲームとして破綻寸前のそれと言えてしまえる作り。
ゲームの製作者は兎も角も、当作の販売にゴーサインを出した会社側の判断を疑わざるを得ない。誠に遺憾に思う。


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