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桃太郎電鉄G 〜ゴールド・デッキを作れ!〜 プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


手堅い人気ゲームシリーズは『変わらない事の良さ』というものを持たされている。
具体例を挙げれば、コーエーの『信長の野望』シリーズとか、カプコンの『ロックマン』シリーズとか。
そんな中、ハドソンの誇る(と言って良いだろう)『変わらない事の良さ』を持たされたシリーズ、それが『桃太郎電鉄』、略して桃鉄である。
何せファミコン版が未だに遊べるレベルの完成度であったと表現すれば、その品質がお分かりいただけるだろうか。

基本的にパーティーゲームであり、やる事は今までの桃鉄と変わらない。資産で一番を目指すだけだ。
このシリーズは多人数でプレイされる事が前提であるが、勿論一人でもCPU相手に楽しめる。
ただ、CPUは鉄人クラスでもあまり頭良くない。というか、独特の思考パターンであるが、柔軟性のない事が弱点であろう。
やはり人間相手にやった方が楽しめるのでは、いや、楽しめよう。ケーブルによる通信だけでなく、単一機で順番に持ち替えて遊ぶプレイもできる。これを設置型ハードでない事の鬱陶しさと見るか、携帯型ハードである事の便利さと見るかは人によろう。

このバージョンでの細かな変化点を述べていきたいのだが、なにせこのゲーム、桃鉄シリーズの35作目である。正直、何と比較して良いものやらさっぱり分からないし、どこが新しい点なのかも分からない。
仕方がないのでやってみての感想などを述べていきたい。ただし、先に言ったように、桃鉄は『変わらない事の良さ』があるシリーズなので、やってみての感想を言うと、シリーズ総ての感想を述べた事になってしまう可能性もある事を断っておく。
購入できる物件が多く、99年プレイでも尽きないくらいにある。しかし良い物件、例えば1都市に1000万物件が5つあるとか、収益の良い物件を見つけるのはちょっと骨が折れる。おいしい物件を手に入れる事が、短期間プレイでの勝利への道だ。
カードも多くなっている。バリエーションは豊かだが、ありがたいカードはやはり進行系カード。急行カードでも結構ありがたい。トラップみたいなカードも用意されており、短期プレイでデビルカードでも引いた日には敗色濃厚になったりとか。
そして貧乏神。目的地到達と貧乏神の擦り付けのどちらを優先させるかといえば、私は貧乏神の処分の方を取る。ただ、今作では、ミニボンビーやピヨピーになったりする事も多いので、そこは臨機応変に対応していきたい。
イベントもそれなりに数がある。短期プレイでは出くわせないイベント(出ないのではなく、出せないという意味で)もあり、一度は20年くらいのプレイを試みたい。
夏のプラス駅は資金獲得のチャンス、冬のマイナス駅は大損のピンチである事も変わっていなかった。

きっちりまとまっており、手堅い、という印象を受けた。つまり、今まで通りの桃鉄であった。
妙味を見つけるとすれば、ゲームボーイアドバンスで出ている桃鉄はこれだけというところであろうか。
画面の見やすさは保証しても良い。私のゲームボーイミクロでも綺麗な文字とグラフィックを出力できていた。
セーブも随意にできるので、ちょっと楽しむにもうってつけ。GBAソフトとしては優秀な部類に入るであろう。


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