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モンスターファームDS2 プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


前作・『モンスターファームDS』をほぼ踏襲したゲーム。細かい点で変更点はいろいろあるが、大本は変わっていない。
やはり前作と同じく、ひたすら育成、ただそれだけ……でもないが、それが75%くらいを占めるゲームだ。
善くも悪くも前作と変わっていないので、まるで前作のバージョンアップ版をやっているかのような感覚に襲われる事もしばしばである。

前作では命中・回避パラメータが命とも言えるゲームだったが、今作でも基本的に同じ。
あとは使い勝手の良い技を1つと、それに応じた攻撃パラメータの上昇を心掛ければまず敗北はない。
ただ、合体によって凄いパラメータを身につけられた前作とは微妙に違い、今作は合体がそのまま勝利を意味しない。これはまどろっこしい反面、育成に工夫をもたらしたという点で評価出来よう。

今作の変更点の1つ、魔法文字再生。これが中々面白い。面白いと言うより、確実性と多様性を表現したという点が宜しい。前作の石版再生の代わりとして用いられるものだが、当たりであったと言う事が出来る。
反面、前作から引き継がれた呪文再生・魔法陣再生は相変わらず不確実で旨味に欠ける。多少の工夫はされているようだが、ほぼ目隠し状態でやらねばならない上、繰り返すが確実性に欠ける。
聞くところによれば、再生方法に特殊な技法を使う事によってのみ出てくるモンスターもいるとか。そういう裏技的というか姑息な手段はやめて欲しかった……。

改良点とも言える点の1つに、登場キャラクターが目立つようになったところが挙げられる。
人物グラフィックが大きく、個性が全面に押し出され、出番・存在感ともに増した。前作からのキャラクターから今作新登場のキャラクターまで量も増加している。
ただ、一番目立つ助手のクレアはちょっと気に入らなかったな……。軽薄過ぎる感じがして。

総合的には、単純なゲームであると断じてしまえるのがやや難。モンスターの種類が増えてもやる事が同じなら意味はあまりない。
単純と言うか、単調なところがいただけない。その他にも細かい点で不満はいろいろある。例えば修行は運任せ以外の何モノでもないとか、モンスターが歳をとって衰えると自然に感受性が下がるとか。
高い評価を与える事の出来ないゲーム。痒いところに手が届くようになった次回作に期待したい。しかし言わせてもらえば、次回の次があるとは思って欲しくないところだ。


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