戻る


オプーナ プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


ヌンチャクでもって片手のみでプレイできる、という他は、思ったよりもオーソドックスなRPGに仕上がっている。
敵倒して、レベルアップして、という基本的な意味では。
「ライフスタイル型RPG」と謳っているが、あまり生活している、という感覚は得られなかった。恐らく日々の糧とかを稼ぐ必要がなく、お金も働く事より敵を倒す事でより多く手に入る事が原因と思われる。
仕事は中核的なもの以外はやらなくともよいのかもしれないが、意外な仕事が意外な条件につながっている事もあるもよう。まあ、初回プレイでは、殆どの仕事をやってしまったのであるが。

何より戦闘に特色があり、ヌンチャクのスティックを倒してボンボン(攻撃用ウェポン)を飛ばし敵を倒す、といった変わったものになっている。
スティックの倒す角度でボンボンの曲がり方が変わり、倒している時間でボンボンの早さ・強さが決まる。例えばスティックを左に長く倒してから放せば、ボンボンが右カーブで強めに飛んでゆく。
これにより「敵を狙う」という事が強く意識されるようになった。大体の戦闘では適当にボンボンを飛ばすだけでよいのだが、一部の敵には必須のテクニックとなっている。
こう話すと何か難しそうに聞こえるが、感覚的なものであり実際には特に難しいというわけでもないので大丈夫。

ストーリーは割とよかった。王道的ながらも良いところでどんでん返しも決まったし。
ただ、このゲームは推測するにマルチエンディングなのではないだろうか。そういう伏線が確かに見られるので。
とはいえそれを確かめるのには、このゲームをやり込めない。面白くないとかという意味ではなく、伏線の処理とかが全く不明だからである。
そもそも趣味の筈だったライセンスがラストダンジョンへの鍵だったあたり、何が何やらよく分からない。マルチエンディングだと思う根拠の一つがこれだったが、このライセンスを取らねばならぬという可能性もある。明確な事は断言できかねる。

極める事はとても多いのに、エンディングのあっさりさ加減は他のゲームと比べればかなりのあっさり具合。
ただスタッフロールが流れるだけ。やった仕事の数とかトモダチの数とかは特に何にも反映されない。
あれだけ沢山の時間を掛けたのにと思うと、やるせなくなる。せめてプレイ時間とかプレイスタイルに応じた称号とかがあったらよかったのになあ。
更にどうも2周目の引き継ぎとかもないもよう。これは結構つらい。

最初に言ったが片手だけでプレイできる。逆に言えば片手でプレイできるくらいのゲームなので、そんな斜に構えてやる類のゲームでもないのかもしれない。
リモコン本体にも幾つかの機能が割り振られているが、究極的にはヌンチャクだけでよい。ちなみにクラシックコントローラでもプレイできるもよう。
難易度自体は割と易しくできている。コツさえ掴めば苦労する事はないはずだ、多分。
このゲームは恐らく、Wiiで出た初の本格RPG(RPG自体は既に幾つか出ている)。必ずしもプラットフォームがWiiである必要性はなかったが、一種記念碑的な作品になるだろう。


戻る