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王だぁ! プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


中々壮大な、自由度の高い戦略シミュレーション。
世界観はファンタジー系で、人間以外にエルフとかドワ−フとか魔族とか魔王とかがいる。
グラフィックは大した事ない、と言うよりも意識してドット絵にしているのだと思われる。
4つあるシナリオは、どれも最終目標は魔王の討伐。魔王を倒せばゲームクリアとなる。
目標は簡素だが、やる事、というかやれる事が多い。プレイスタイルは自由自在。

自由度が高く、やれる事があまりに多いので、コマンドや数値の解説などは割愛せざるを得ない。代わりにやって楽しかった事を並べ、それに関連したコマンドを解説していきたいと思う。
まずは、実は内政が好きな私であるが、軍事行動が楽しかった。宣戦布告して一気に侵攻するのは良い。こちらも戦死者は免れ得ないが、このゲームは比較的人材補給が容易で、更にかけがえのない人材という人材がない。死んだら運が悪かったと諦められる。
軍事のシステムはある意味単純で、配下に兵士を集めさせそれを鍛えるというもの。人材によって集めれる兵士数に差がある。いざ戦争の時、勝てば人材は生き残るが、敗退すれば戦死という厳しいバランス。なお宣戦布告しないと、世界的に自国の印象が悪くなるので注意。
次に外交。他国に援助したり、たかったり(こう言うと印象が悪いが行動はまさにそれ)。ただ婚姻と魔王国との交渉だけはやらなかったが。魔王と交渉するといろいろあるらしい。
具体的には、「みりょく」値の高い人材を他国に派遣して援助を乞うのである。割と成功し易い策で、リスクもない。ただ他国もこれをやってくる。しかし申し出を断ってもなんらリスクはないと思われる。
聞くところによれば、魔王との交渉は一般他国との交渉とはまるで違うそうだ。しかも魔王と仲良くなると、魔王から様々な要求(住民を寄越せだの人材を寄越せだの)が来るらしいぞ。
そして盗人の捕縛。はっきり言って捕縛出来る程の人材なら惜しくもないし、そんなろくでなしは惜しまれもしない。遠慮は要らない。
盗人とはいっても、その正体は勇者の一人。とはいえそんな勇者はレベルも低い事が多く、仮に釈放しても自国の事を好きになってくれるでもなく、二度と自国に忍び込まないわけでもない。牢屋が塞がってしまうので、早めの処断をお薦めする次第である。
このゲームは人からたかられる事が多いが、それを無下にするのも楽しかった。どんな悪影響があるかも分からなかったが、いちいち聞き入れていては身代が潰れる。
支配エリアが広がるとその傾向が顕著なのだが、エリアの住民・部下・勇者が王にたかりにやってくる。カネをせびったり、モノを要求したり。くれてやる事で何か得があるのなら考えてもいいが、数値上では別段分からないのだ。額も決して安くはないので、無視した方が賢明だろう。
なお、エリア住民に限って言えば、たまにモノ以外のもの(例えば名前とか)を要求してくる。これもメリットが特にないと思われる割に手間だ。暇な時だけ名付け親、という感覚でいいのではないだろうか。
内政はあまり実感効果がなかったのでやりがいがなかった。しかし無視したわけではなく、寧ろ重視したと言って良い。暇の出来た人材はほぼ内政に投入していた。
内政は農工商の発展と治安維持が出来る。ただ、人材を投入しても効率が悪く、数値が上昇しない事も多々ある。人材を遊ばせるよりはましだと思ってどんどん投入したが、効果の程は不明だ。
なお、基本的に人材は直属部隊に全員配置。多少面倒ではあったが、直にプレイがシミュレーションの醍醐味だと信じている。特に軍事とか。
いちいち指示が面倒だ、という人の為に、人材を内務省などの各部門に配置すれば、作業をある程度はオートでやってくれる。
しかしこれだと部下のやっている事が見えないし、いざ自分にやりたい事が出来た時、部下がいなくて何も出来ない、という事にもなってしまう可能性もある。というか実際にそうなったので、それ以降人材は総て王直属部隊だ。面倒だがやりがいはある。
取り敢えず楽しかった事を並べてみたが、大体こんな感じである。参考になるかは分からないが、感じ取ってくれ。

その自由性を楽しむゲーム。何をやっても良いし、逆にやらなくても良い。
自由度の高いロールプレイングというのはあったが、これは言うなれば自由度の高いシミュレーション。究極目標は魔王の撃破であるが、延々とプレイする事もまた可。
ただし、魔王が倒されるとその時点でゲーム終了になる。たまに勝手に魔王を倒しに行ってしまう勇者がいる事には注意。
見た目は多少チープであるが、内容は充実している。1000Wiiポイントは決して高くない。開発メーカーはポイソフトなる聞き慣れないメーカーだがそれも関係ない。ゲームは中身であるという事を如実に示す良い例と言えよう。


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