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ポケットモンスタープラチナ プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


DS版『ポケットモンスター』シリーズの第3バージョン。前バージョン『ダイヤモンド』『パール』のバージョンアップ版という印象。
『ダイヤモンド』『パール』の2本を統合+αという贅沢な仕上がり。それだけに凄いボリュームを誇るゲームになった。
もう子供向けとは到底言い難いレベルだが、楽しむだけなら子供から大人まで幅広い層に対応していると思われる。
敢えて忠告させてもらえれば、このシリーズに完璧を求めるべきではない。自分なりの遊び方を見つけられればそれで充分報われている。

ではこのゲームの短所、と言うか残念なところを挙げていってみたい。恨み節を述べる事はしたくないが、敢えてそうさせてもらおう。
と言っても事は単純で、善くも悪くも根底部分が変わらない、という一点に尽きる。即ちやる事はポケモンの育成と蒐集だという事である。
それがこのゲームで初めて採用されるならともかくも、もう何年も同じ事をやっている。GBA版を数えるだけでも5バージョン、DS版でも2バージョンが既に出ていて、それと殆どやる事は同じというのは……。
正直言って飽きてしまうし、やるのがだるくなる。DS版の前作『ダイヤモンド』『パール』をやっていない私からしてもそう思うのだ。
まず育成。レベルアップは言葉に出来ない面白さがあるとも言える。しかしより高い観点から見れば、単にレベルアップすれば良いというものでもないのが面倒窮まりない。
ちょっと専門的な話になるが、努力値・個体値の2つだけでこうも話が面倒になるとは恐るべき事である。プロフェッショナルポケモンブリーダーは喰っていけると思う程(そんな存在がいればだが)。
どうやら世界的に見れば、個体値のハイレベルさは最早望みの値が31でないと満足されないレベルにまで来ているようだ。恐ろしい事である。
次に蒐集。過去のシリーズ、と言うかポケモンが世に出た頃から、1つのバージョンではポケモン図鑑は完成しない(全ポケモンが揃わない)というのが常態であった。
友達とポケモン交換、というその要素は、ポケモンをヒット作に押し上げた一因であると言えよう。友達がいなくとも、一人で2つ以上のゲーム機とゲームで交換するという手段もあった。
今作は、友達がいないとまずポケモン図鑑完成は不可能な仕様に仕上がっている。Wi-Fiによる交換は不安要素が大き過ぎる。リスクとしては取引不成立や改造ポケモンの混入が挙げられよう。
GTSによるポケモン交換は、既知のポケモン同士でないとダメという片手落ち仕上がり。そして一人で2つの以上のゲーム機とゲームで交換するという手段はコストが掛かり過ぎる。
こう考えると、昔の有線によるポケモン交換というのは存外良いシステムだったと思う事仕切りである。今の世は便利になった反面、人の心の闇を映し出しているように思うのは私だけではあるまい。
長々と述べたが、大体こんな感じだ。付き合わせてしまって済まない。

『プラチナ』ならではの要素もあるらしいが、正直言って何がそうなのかよく分からない。大したモノは付加されてないように見える。
あと、映画などメディアと連動した限定ポケモンの配布はいい加減に止めるべきだと思う。手に入らなければ欲しくなるのが人の常。また心の闇が蠢くだけだ。
クリアするだけなら難しくはないが、それからが大変極まりないゲーム。無邪気に楽しめるのは子供だけではあるまいか。
と、まあ、愚痴ってばかりのようにしか見えないが、ポケモン初体験なら良いゲーム、と言えなくもない。DSあるなら話題として買っても良いレベルには。


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