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珍道中!!ポールの大冒険 プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


敢えてアクションゲームとして見るのならば、結構尋常とも言える出来である。基本に忠実と言うべきか。
また、素晴らしいと言う程の出来でもないが、クソと言う程の出来でもない。ネタに走ったゲームという事で、果たして遊べる出来かとも思っていたが、杞憂だったようだ。
意外と古い時代の良いパターンを踏襲しており、程よい難しさと面白さを兼ね備えている。2周目からは特に。
まあ正直な話、そんな事が見えなくなるくらいの、お笑いネタ満載のゲームなのであるが……。

道中にはお笑いのネタがちりばめられており、それを発見していく事が1つの目的、というか醍醐味である。
進んでいけば自然に入るネタから、特殊な条件を満たす事で入るネタまで様々な難易度のネタがある。ちなみにネタの種類は、洒落、パロディ、シモ、グロまでこれまた様々。
これだけいろいろなネタをやっておきながら、ネタのレベル的にほぼ一定した笑いを届けているという事も出色であろう。
一回でも発見したネタはあとでギャラリーで振り返る事が出来る。更に字幕のオン・オフ、そしてツッコミがWiiリモコンから発声されるオプションなど、サービス精神が過剰なのではないかとも思える出来だ。
敢えて極言してしまうと、これらのネタがウザイ、といった事もあるかもしれない。それを言ったらこのゲーム自体が台無しなのであるが……。

最初に言った通り、割と基本に忠実なアクションゲーム。欠点は特にない。
弱点としては、ツッコミの声に切れがないみたいな印象があるところかな……だらっとした感じの声でツッコミが入るのはちょっと。もっとハキハキした声でのツッコミが良かったと思う。
ゲームとしての完成度は高い。しかし、開発スタッフが果たしてアクションをやりたかったのか、それともネタをやりたかったのか、という疑問はどうしても残る。アクションとネタが完全には融合出来ていないように見え、その結果どっちつかずの印象がある。
開発スタッフ曰く「500Wiiポイントは安かったかも」との事であったが、私見では妥当な価格だったのではあるまいか。これが1000ポイントだったり、あまつさえWiiディスクで製品化、という流れだったら逆に買わなかっただろう。
まあ、結果、500ポイントでこのゲームが手に入るならお買得と言えよう。ただのネタゲーでもなくしっかり遊べる仕上がりになっている。2周目からは特に。
なお、このゲームの略称は『珍ポ』または『珍ポ大』だそうである。公式ブログで臆面もなく呼称されていた。こういう呼称が流れる事が、開発スタッフのこのゲームに対する意気込みを表わしている……というのは穿ち過ぎか。


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