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RIZ-ZOAWD プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


童話『オズの魔法使い』をモチーフにしたロールプレイングゲーム。
グラフィックを始め、ストーリー、操作性、サウンドなど、全部門に関してよく作り込まれた良作と言えよう。
まず目を引くのは美しいグラフィックだが、ゲームを進めるに連れ、それはこのゲームの一部である事がよく分かる。
のっけから誉めが先行して恐縮だが、穴のないゲーム性は評価に値する。

『オズの魔法使い』が元になっているが、その原作を一部しか知らない、或いは全く知らないででも、プレイにはなんの問題もない。
実際、私はあらすじくらいしか『オズの魔法使い』を知らなかった。しかし逆にそのお陰で、変な入れ込みなくこのゲームを見る事が出来たような気がする。
大体ゲーム化されてる、しかもロールプレイング化されてるんだから、原作と大きな差が出て当たり前、のような気もする。
パーティーは主人公の女の子、カカシ、ライオン、キコリの4人(?)。ちゃんと各自に名前も付けれるが、デフォルトそのままでいった方が雰囲気がかえって出るだろう。

ロールプレイングとしては普通の出来。コマンド入力のターン制、経験値は絶対制。ただし移動は下画面のトラックボールをタッチペンで転がして行うのがやや斬新な点と言える。
パーティーは4人だが4人が全員戦闘に参加するわけではなく、レシオという制約がある。説明が難しいが敢えて略して言えば、レシオの総合値が4を超えないようにキャラクターを編成するのだ。
また、カカシは水棲モンスターに大ダメージを、といった具合に得意とする敵が存在するので、戦術の立てがいもある。
レベルアップするだけでは何も技を覚えたりしない。技はドラゴン爺さんなるキャラクターから戦闘を通じて教わる。事実上、このドラゴン爺さんらから技を教わらなくてはクリアは至難だろう。
フィールドにはスイッチなどのギミックがあるが、ややこしいものは特にない。マップも入り組んだものは殆どなく迷いにくい。その意味ではゲームとしては簡単な方。
最終的にはレベルが各自48くらいあればクリアには充分。しかし、ラスボスより強い敵が存在する。そいつを倒すのに努力するのも有りと思われる。

弱点・欠点は特にない。敢えて言うならトラックボールでの移動は慣れるまでに時間が掛かる。慣れても制御が難しい。
更に言うと、クリアしても2周目やギャラリーなどの特典は何もない。悪く言えばただクリアあるのみ。
だから、1周クリアすれば充分と言えてしまうのがちょっと残念。底が浅いと言えてしまう面はあると言わざるを得ない。
しかしながら、1周クリアするだけでも充分楽しめる。やってみて楽しい事は確かなので、余裕があるなら手を出してみても良いのではあるまいか。


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