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世界樹の迷宮2 プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


あの『世界樹の迷宮』の続編が、前作から割と間を置かずに登場した。その名も『世界樹の迷宮2』! 割とそのままである。
まあ前作で、次回作用のパスワードがあったから意外性はないとはいえ、それでもみんな楽しみにしていたに違いない。少なくとも私は楽しみにしていた。
今作のストーリーはとある街にそびえる巨大樹中のダンジョンに挑戦する、というもの。前作ではダンジョンに「潜る」という形容だったが、今作では「登る」となった。
大体前作を踏襲しつつ、細かいところに手が届いている繊細なインターフェイスを導入。より操作しやすくなりながら、前作との違和感を最小限に留めている。
かなり操作しやすくなっており、今作をやってから前作に挑む場合は、前作のインターフェイスとの違いに戸惑うくらいだと思われる。

続編という事で、終盤で度胆を抜いてくれた前作のストーリーを超えられるのかな? と思っていたが、ほぼ同質のストーリーに仕上がっている。
前作があんな風だったし、今作は空飛ぶ城という事で宇宙の超文明とかかな? と思ってたらハズレ。寧ろ前作を脱却できていないような気もしてやや拍子抜け。
また今作では、1階登るごとに街の住人のメッセージが変化し、「登っている」という実感が街でも味わえるようになった。
前作同様クリア後があるので挑戦してみるも一興。だが私はしなかった。ラスボス倒してもう満足したし。聞くところに依ると地獄という程の難易度でもないらしいが。

インターフェイスだが、アトラスが今後『真・女神転生』シリーズをDSで出すとすれば、こんな感じになるのではないだろうか。
同じ3Dダンジョン形式というのもあるし、操作性も必然的に似通うだろう。
とにかくこれ以上はちょっと思い付かないくらいのインターフェイスになっている。強いて改変点を見い出すとすれば……オート戦闘のコマンド入力くらいかな。
ほぼ完成した操作性と言える。今後このシリーズの続編か、それこそ『真・女神転生』の新作を出す時にこのインターフェイスが役立つに違いない。

欠点・弱点、というか……残念な点としては、このゲームは結構バグが多い。それもかなり分かりづらい上に知らないと致命的なバグが幾つかある。
これらはゲームの面白さをスポイルしてしまう可能性があるので、嫌でも攻略サイトを覗いてバグ回避の方法だけは知っておいた方が賢明だ。
あと、敷居こそ低いものの難易度は高い。ある程度馴染むまでは相当手こずるはずだ。反則的な強さを誇る敵も多い。誰にでもできるという類のゲームではない。
更に、なまじ前作を知っていると一部スキルなど今作の変更点に吃驚する恐れあり。また、前作のパスワードは必ずしもゲームを楽にしてくれるものではないらしいので注意。

バグや難易度など残念な点はあるものの、総合的にはかなり良質なゲームと言えよう。
さっきも言ったように誰にでも薦められるというゲームでは断じてないが、それでもゲーマーなら一度は挑戦してみたいゲームの筈だ。
セーブは街・ダンジョン特定地点の他、ダンジョン途中でもできるので時間のない時にもできるようになっている。ただし中断データはロードすると消える。
ゲームを楽しむコツとしてはやはりプレイしてみる事かな。1階を突破できれば面白さは分かるはずだ。逆に言うと1階を突破できるかでゲーム適性の有無を判定できると思う。
前作以上の中毒性を持つ楽しいゲーム。しかし、プレイの際にはいろいろ知っておいた方が良い事が多いのもまた事実。ただ私は購入して良かったと感じた。


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