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世界樹の迷宮4 プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


かの『世界樹の迷宮』シリーズも早第4弾、今回のサブタイトルは『伝承の巨神』! おまけ、というのではないものの、プラットフォームを3DSに移しての登場となる。
主に良い意味で、3DSにプラットフォームを移す事の意義を体現していると言える。少なくともマイナス面というものは全く見当たらない。
今までのシリーズの踏襲すべきところを踏襲し、その上で新たな要素(ハードウェア面でもソフトウェア面でも)を加えつつ完成までこぎつけている、という感じである。

サブタイトルが『伝承の巨神』という事で、まあ、最後が想像出来なくもない程度のサブタイトルと言えるのではあるまいか。
寧ろそこまでに至る道中、いろいろなストーリー展開が、ドキドキワクワクさせてくれるというか、今作ではそういった感が強い。
無論クリア後の世界・やり込み要素・強くてニューゲームも今まで通りに搭載済み。例によって竜もいる。

新しい点はいろいろあるものの、基本は今まで通り。冒険者のクラスもスキルも変更されているが、だから馴染めないなどという事は全くない。
とはいえ今までと違う面も多々ある事もまた事実。その中でも大きそうな変更点としては……大地の探索・QRコードの採用くらいであろうか。
まずは大地の探索。今作では、大地の上を飛空挺で飛び回り、FOEの討伐から迷宮探索、イベント消化など様々な事をやる。
『3』の航海に近いが、あれよりも実用に即した冒険の一種となっている。仕掛けは意外に多い、と言うよりは盛り沢山、といった趣である。
メインの迷宮に対し、サブの迷宮、通称「小迷宮」というものも出た。これは1フロアのみの構成をした、本筋と異なった立地の迷宮。進行上、訪れるべき場所も多い。
ただ逆に、進行上は訪れる必要のない小迷宮もある。プレイヤーのレベルの都合上、本当に訪れない冒険者は稀であろうが。
次にQRコード。これは自分のギルド・パーティー・冒険者のデータをQRコード化するものと、外部のQRコードを読み込む2種に分類される。
これのお陰で、QRコードを公開・閲覧する手段さえあれば、全国のプレイヤーと情報の遣り取りが可能になった。一応、すれ違い通信でも遣り取りは可能であるが、それよりは遥かに広範と言えよう。
なお、今作から、難易度選択が導入された。だが、大した要素ではないといって構わないであろう。そもそも、私はそれに頼っていない。
聞くところによれば、戦闘が多少楽になる他、「糸」をはじめとした一部アイテムが消耗せず、全滅してもゲームオーバーにならないらしい。しかし、それにどこまで信頼性があるのか疑問である。
大体、そんな程度でこのゲーム・このシリーズが楽々になるはずがない。全滅を繰り返してお終い、という羽目に陥る事すら考えれる。

ここまでいろいろと良さそうに聞こえる事を言ってきたつもりであるが、知識と知恵がバランス良く求められるのがこのシリーズ。例によってというべきか、今作も決して楽なゲームではない。
最早恒例とも言えるバグとの付き合いも、今作においても無論ある。今までのシリーズよりもバグの数は少ないとはいえ、出来れば攻略サイトを覗いて対策を講じるべき。
なまじ難易度変更可能で、これで初心者でも安心か、と思わせておきながら、やはり初心者には厳しいかもしれない。願わくば、途中でめげずに最後まで行ってほしいものであるが……。

さて、『4』最大の変更というか良化点として、「体験版」の存在を蔑ろにするわけにはいかない。はっきり言うと、この体験版でもって今作への適性があるかどうかが良く分かる。
しかも体験版だけあって、起動回数制限とレベルキャップこそあり存分にとはいかないものの、実質ただでプレイ可能。良い時代になったものである。
体験版をプレイし、気に入ったならば購入しても恐らく大丈夫であろう。勿論体験版をやらずとも、今までのシリーズが好きだった方にはお薦め。


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